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せんくら 仙台クラシックフェスティバル 2026。

初期には何回か行った記憶はあるんだが、わたしはその後ずーっと時間が空いて、
再開してから今年で4年目。去年が今一つだったので、今年どうしようかちと迷った。
でもまあ行くか。

ほんとは小野リサのボサノバが一番聴きたかったのよー。
でもうっかりチケット出遅れて、すでに完売していました。仕方がない。
なので今回は、ヴァイオリン・ピアノ・声楽の3ステージ。

《せんくら・フェスティバル・ソロイスツ》

ヴァイオリン:堀正文・白井圭・神谷未穂・西本幸弘・橘和美優・川又明日香
ヴィオラ:井野邉大輔・佐々木真史
チェロ:三宅進・吉岡智広
コントラバス:助川龍
チェンバロ:野平一郎         総勢13名。

……すまん、何の理由もなく遅刻してしまったので、最初の「テレマン:4つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ長調」は聞き逃してしまいました……

ヴィヴァルディ「四季」
春:堀正文
夏:神谷未穂
秋:白井圭
冬:西本幸弘

それぞれがソロを取る。

「四季」を通しで聴いたの初めてくらい?何か一つというのはよくあるけど。
特に「秋」は珍しい気がする。あんまり人気ない部分。それでもごく短いフレーズで
2ヶ所ほど、いろいろなところで使われている馴染みのものがあった。
四季は人気がありますなあ。

春は柔らかな旋律で、鳥の鳴き声を聴かせてくれた。
神谷さんは力強い夏の嵐。
秋は冬ごもりの熊、あるいは紅葉の山の巨人。
冬は疾走する馬車。第二楽章はずっと前パンのCMで使われていて、すごく好き。

13名も出ていたので目立たなかった人もいたけど、それぞれがソロを取れる人らしい。
堀正文さんと野平一郎さんはご高齢。斯界の重鎮だそうだ。
神谷さんが「国宝級の」といっていた。
考えてみればご高齢の男性のヴァイオリンソロのシーンって見たことないかも。
まあ演奏は体力勝負ですからね。せんくらで披露してくれたのはレアだったかもね。

こういう顔ぶれが集まると、演奏というより各自の関係性がほの見えるのが面白いのよ。
邪道な聴き方ですが。
退場する時に、大先輩を先にするのか、レディーファーストを守るのか、一番近い人から
順番にハケて行くのか、さぐりさぐりもにょもにょやっているのが微笑ましい。
楽しく見た。

でも背広での演奏は一長一短。
気づいてみれば他のステージもけっこうそうだったから、ドレスコードはむしろカジュアル
寄りの設定かもしれないが、やはり黒服での演奏の方が1割くらい有難味が増す気がする。
背広での演奏なら、背広自体も多少いいもの、ネクタイにも華やかさがないとね。
じゃないとサラリーマンの課外活動にしか見えないのよ。
女性のドレスも映えない。一考を願う。

《ベスト・オブ・ショパン!4人のピアニストが織りなすショパン名曲集》

進藤実優:バラード第4番
ニュウニュウ:エチュードメドレー、ポロネーズ第6番「英雄」
小井土文哉:練習曲作品25より第1番「エオリアンハープ」、舟歌作品60
津田裕也:ワルツ第9番「告別」、バラード第3番

進藤美優という人は、歌ごころがある。曲を聴かせる。ドラマティック。
わずかに右手の音が小さいかと思った。体幹をもうちょっと鍛えてみたらと思った。

ニュウニュウはとにかく派手。指が動いて、タイムトライアルか!と突っ込んだ。
若干器械体操みがあった。この人の右腕を進藤美優につけてあげたいと思った。

小井土文哉は何度か聴いている。今回は滑らかに指が動いて、音楽が反物のように
面で紡ぎだされるように感じた。曲は一番難しかったんじゃないか。

津田裕也は明るい音色が今回はとてもいいと思った。去年は「亡き王女のパヴァーヌ」を
聴かせてくれたんだね。今回はきれいな音というより華やかさを感じて、より気に入った。

《乾杯!せんくら オペラ・ガラコンサート2026》

ソプラノ(安川みく)、メゾソプラノ(郷家暁子)、テノール(山本耕平)、
バリトン(加耒徹 かく・とおる)の4人で2曲ずつと最後の全員で「リゴレット」。

郷家暁子:モーツァルト「フィガロの結婚」より「恋とはどんなものかしら」
安川みく:プッチーニ「ラ・ボエーム」より「あなたの声に呼ばれて出た家に」
加耒徹:ヴェルディ「椿姫」より「プロヴァンスの海と陸」
山本耕平:プッチーニ「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」
郷家暁子:ロッシーニ「セビリアの理髪師」より「今の歌声は」
加耒徹:ドニゼッティ「愛の妙薬」より「パリスのように美しい」

山本耕平:ヴェルディ「リゴレット」より「女心の歌」
安川みく:ヴェルディ「リゴレット」より「愛しい人の名は」
全員:ヴェルディ「リゴレット」より「美しい恋の乙女よ」

オペラはエンタメですねえ。とても楽しかった。
歌い手のみなさんはすごくサービス精神旺盛で。

郷家暁子は声に厚みがある。表情豊かで演技力もある。舞台映えのする人。
オペラそのものだったらさらに輝くだろう。
お父さんの実家が陸前高砂で、長期休みごとにずーっと仙台にいたらしいよ。

安川みくは声楽家には珍しいのでは?と思うほどスリムな体型で驚いた。
そのわりに声量があってそれもびっくり。のびやかでまろやかな声。
だが歌う時の姿勢が悪い気がするので、そこを直した方がいい気がする。

山本耕平。わたしはテノールの声質ってそんなに好きな方ではないので、
ちょっとその部分割り引いて聴いてしまったかな。誉め言葉になるか微妙だが、
プレイボーイの役が似合いそう。

加耒徹もプレイボーイの役似合いそうですけどね。「プロヴァンスの海と陸」が
好きなので愉しく聴いた。今回の客席から登場枠はこの人でした。
客席に愛想を振りまいていて面白かった。

名前は有名でも「リゴレット」で聞き覚えのある曲はまったくなかったわけだが、
四重奏はやっぱり面白いねえ。ちゃんと動作つきで、オペラの一場面として見せてくれた。
そして最後のアンコールで「乾杯の歌」。
愉しく楽しく、聴き終わりました。

 

今回、遅刻して最初の最初を逃したことで、一日目の楽しさの20%くらいは失ったかな。
始まる前のわくわく、演者が登場した瞬間のキラキラが楽しめなかった。
周りにも迷惑ですし、やはり遅刻はいけません。地下鉄は30分。

そしてそれにも関連するが、やっぱりせんくらは1日2ステージは見た方がいいねー。
1ステージだと物足りない。長くて1時間だからあっという間に終わってしまって、
ボリュームがないんだよね。短くて単価が安い、というのが価値なんだから、
ステージのハシゴはするべき。贅沢な気分になる。

まあわたしは一日目、午後に小野リサに行きたかったんだが、それが取れなくて
結果的に1ステージになったんだけどね。1ステージの満足感を1とするなら、
2ステージ見ると合計3になる。お得。

ではまた来年お会いしましょう。

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