◇読んだ本の感想。

◇読んだ本の感想。

◇ 恩田陸「蜜蜂と遠雷」

恩田陸の特徴は、そのサスペンス性。この人はサスペンスにかけては自由自在な人で。ほんと、その辺を「つまむ」だけでサスペンスを現出させてしまう。普通の人がのこぎりと釘と金づちで一所懸命創作するサスペンスを、まるで折り紙を折るように、気軽にあっさ...
◇読んだ本の感想。

◇ 愛川晶「道具屋殺人事件」

愛川晶は最近――数か月前に初めて読んだ。1冊目の「七週間の闇」は面白く、その後出版順に4、5冊読み続けたのだが、3冊目以降はだいぶ落ちる。読むのに苦痛を覚えるくらい。止めようかなと思ったのだが、止める前にワンチャンと思い、作風を変えたと思わ...
◇読んだ本の感想。

◇ 小林恭二「父」

小林恭二は4年前からぬるっとつぶしている。最初の小説で「ゼウスガーデン衰亡史」を読んだ。これがけっこう特異な小説でねえ。「すごく」はつかないけど、面白かったし気に入った。地味に読み続けている。普段変な作風の人だけど、本作はタイトル通り、自分...
◇読んだ本の感想。

◇ コールドウェル/トマスン「フランチェスコの暗号」

「フランチェスコの暗号」というタイトルで、そういう話を読むつもりでいる人。読むのを止めた方がいい。暗号がメインじゃないから。じゃあ何がメインかというと、大学生の青春小説(だが爽やかさはない)。特にプリンストン大学の学生生活の詳細。ということ...
◇読んだ本の感想。

◇ 奥本大三郎「博物学の巨人 アンリ・ファーブル」

この人は面白いエッセイを書く人。ここ何年かで何十冊か読んできたが、最初のうちは昆虫学者だと思っていた。なぜなら、ひたすら虫について熱く書いていたから。途中で彼の生業はフランス語・フランス文学らしいと気づく。おや?ここまで虫にのめりこんでいて...
◇読んだ本の感想。

◇ オルハン・パムク「白い城」

オルハン・パムクは3作目。「わたしの名は紅」「雪」を読んで、まあまあ面白いことは面白いのだが、隔靴掻痒の感がつきまとう。この隔靴掻痒感は、わたしと著者の異質普段読みなれてないトルコの作家翻訳の座りの悪さどれなんだろうなーと思った。なので、前...
◇読んだ本の感想。

◇ 片桐はいり「もぎりよ今夜も有難う」

著者は女優。そう、あの片桐はいりです。好きな方の女優だ。が、作品としてがっつり見たのは「小野寺の弟、小野寺の姉」くらいかな……。好きな映画だったイメージがあるけど、今読んだら話はだいぶ忘れています。なんか久々に見たくなったな。演技者として個...
◇読んだ本の感想。

◇ 池上永一「唄う都は雨のち晴れ トロイメライ」

現段階でトロイメライは2巻まで出ていて、この2巻が2011年出版だから後には続かないだろうけど、これ、好きだなあ。シリーズで読みたいなあ。続編書いてくれないものだろうか。形としては幕末期王朝琉球を舞台にした捕物帳なんだけどね。池上永一らしく...
◇読んだ本の感想。

◇ 川上康介「五感で学べ ある農業学校の過酷で濃密な365日」

これ、タイトルで損してる本だと思うなー。内容を表してることは表してると思うんだけど、インパクトがない。第三章のタイトルの「タキイ三倍速の法則」がタイトルで良かったんじゃないか。タキイって、わたしが聞いたことがあるくらいだから、多分有名な種苗...
◇読んだ本の感想。

◇ 池上永一「王様は島にひとり」

池上永一は10年前にそれまでの既刊書はほとんど読んで追いついたので、あとはしばらくご無沙汰をしていた。読む順番が回って来たのでまた読み始めた。10年ぶりに読んだのはこないだの「トロイメライ」だったんだけど、相変わらず面白かったのでアリガタか...