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◇ 彬子女王「京都ものがたりの道」

数年前に行った出雲大社の神饌料の立て札に、彬子女王という名前が書いてあった。
他は「○○宮」や「○○家」と家として出しているのに。
なんでこの人だけ個人の名前で……?とひっかかっていた。
それで読んでみた。

三笠宮家彬子女王、という言い方にはならないんですかね?
個人的に出してるということ?
まあこのあたりの皇室のしきたりはよくわかりませんが……

皇室関係の人の文章は、失礼ながら毒にも薬にもならないような内容に終始するのでは、
と思っていた。実際に読んでみたところ、そこまで浮世離れした花鳥風月ではなく、
生活感がこもった京都歳時記。なかなか面白かったです。

実は面白かったのはちらちらっと出て来る警護の人との関わり。
こういう部分、文章で読むこともないですからね。
彬子女王が言うには、物心ついた時からそばに警護の人がいるのは当たり前のことなので、
わずらわしいものではないそうだ。いないとむしろ淋しいとか。
そういうもんですか……。下々の者は「四六時中他人が一緒なんて面倒そう」と思うのだが。

世間話をしたり、愚痴を言ったり、いい話し相手らしいよ。
でも1年か2年で必ず異動になってしまうのが淋しいとのこと。
なるほど。

皇族ならではの話で、そういうところが面白かった。

京都で研究員をしているんだって。皇室関係の人が東京を離れたところで生活するのも
地味に大変な気がする。全ては前例。だろうからね。
一般人であれば自分の住むところくらい自由に決められるが、こういう立場の人は
いろいろあるんだろうなあと思う。直で京都府警の予算も変わってくるんだもんね。

著作が他に何冊かあるらしい。オックスフォード留学記を読んでみたいと思った。

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