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◇ 綾辻行人「Another 上下」

文庫本で借りて良かった。単行本だとかなり重かっただろうから。

綾辻行人はものすごーく久しぶりですねえ。
30年ぶりくらい?多分そのくらい。本に対する嗜好がものすごく狭く、
読む本がなくなったところで、無理やり範囲を広げた作家のうちの一人。

嫌いではなかったですよ。初期の館シリーズはだいたい読んだんじゃないかな。
だがどっちかいうと有栖川有栖の方が好きだった。有栖川有栖はもうちょっと読んだ。
綾辻はそれ以来。テレビ番組の「安楽椅子探偵シリーズ」は好きで、
もっとたくさんやってくれないかなあと思っていたが。

そして久しぶりの綾辻行人。なかなか面白かった。

これはミステリじゃなくてホラーでしたか?
コワイの嫌いだから、ホラーだという自己申告の裏表紙を読んで、ひょえええ!?と
ビビったのだが、そんなにホラーじゃなかったです。むしろホラーとして読むと
コワくないと不満を持つ人も多いだろうと思う程度にミステリ。
フェアに説明しているから怖さが薄れるんだよね。わたしにとってはありがたい。

設定も――厳密にいえば少し無理があるし面倒なんだが、綾辻の筆力なら
そこらへんを乗り越えるのは難しくない。もうちょっと削ってもいいか?という
登場人物もいるのだが、……これがけっこう細かい伏線をまき散らしているからね。
読んでで「え?」と思った台詞にはたいてい意味があります。
だからといって正解にはたどり着かないわけだが。
まあ小説は謎解きをメインには読まないよ。謎を解いてもらう方が楽しいもの。

これはネタバレ厳禁作品であるのは確実なので、わたしからは一言だけを言っておきます。

最後に綾辻は特A級の技を持ってくる。それは見事に決まっている。
だがそちらを大事にした結果、同じ時に明らかになる真実については少し雑だと感じた。
ええ?それは弱くない?と文句をいいたかった。
でも特A級は面白かったのでカンベンしたる。

全体的にしっかり(もちろんツッコミどころはそれなりにある)書いてくれているので、
やっぱりこの頃の作家はいいなあと思うよ。安心して読める。

これ映像化したら面白いかもなあと思っていたが、すでに映画になっていたんですね。
山崎賢人と橋本愛かー。うーん、14年前のこの二人。主役が中学生なのは
高校生くらいにレイズアップしたんだろうけど、根本的な困難ですよね。
こういう緻密な話は緻密な脚本と演技で作って欲しいものだし。

アニメだったらワンチャンいけるかもしれないが、アニメの出来はどうだろう。
AIに評判を訊くと、前半のホラーみは評価が高いが、後半の展開に賛否ある、
みたいな内容だった気がする。あとグロいと。グロいのは嫌だなあ。

面白かったので続きも読む予定。多分あと2冊ある。
が、この話に続きって出来るもんかね?登場人物引き継ぐんかね?
この後の綾辻もしばらく読もうかなー。「暗黒館の殺人」以降くらいを拾って。

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