赤瀬川さんが亡くなってからもう10年以上経ったのか……
わたしが(図書館で借りて)読み続けてきた著作もあと7、8冊。昭和は遠くなりにけり。
これは1993年頃に連載されたエッセイのようですね。
私見だが、2000年代以降の赤瀬川さんはわりと内容が薄くなるので、
発行年代順に読んでいて、近年そんなに面白いエッセイはなかった。
でもこれには内容を感じた。ブンガクだった。
だが、読んでてツライ内容だった……。
いつもの赤瀬川さん、ほわほわでのんびりしていて、笑える内容の少年時代のエッセイかと
思いきや、けっこうシビアなんですよねえ……。いうたら犯罪告白になってる。
犯罪も、こどもの頃のガム1個とかお菓子1個とかどころじゃないですよ。
青年になってからの食パン4本と大瓶のチョコ1瓶分。
定期券の偽造3ヶ月?4カ月?
隣の友人の米・味噌複数回窃盗。
その他にも、なかなかエグいテーマも多くて、前半3分の1くらいは引いてました。
後半は素直に面白く読めるんですけどね。
しかし昭和12年生まれの戦後食糧事情はかなり厳しい。
しかもこの人は兄弟が5人か6人で……まあこの年代だとそれほど珍しいことでもないが、
食べ盛りが5人もいたら、それは食べ物がいくらあっても足りないですよ。
そして、ないんだからね。食べ物が。
お腹が空いて、お腹が空いて、どうしようもない時代の思い出。
ユーモアの皮をかぶっているとはいえ、痛ましいのだ。
あと珍しく、妻と娘の姿をスケッチしている一篇もあって、珍しいと思った。
妻は若干出て来るけど、娘はエッセイを読んでいてもほとんと出て来ない。
意識して出さないようにしていたんだと思う。気を遣う人だし。
一度書いて出してしまったら、なかったことには出来ないからね。
ちなみにこの本の解説が久住昌之。そうか、そういえば赤瀬川さんの弟子筋だったねえ。
この人も美味しかったと言っているけど、赤瀬川さんのエッセイに
度々出て来る「りゅうきゅう」はわたしも食べてみたいなあ。
多分大分へ行けばどこかの店で食べられるとは思うが、
書いてある通り、コンニャクのりゅうきゅうがなさそうなのよね。
作るしかないか。そんなに面倒ではなさそうだが、ずーっと作ろうかどうしようかと
迷ったまま作ったことがない。作らないままのような気がする。

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