タイトルにうっすら漂うハードボイルド臭。……と思ったのだが、
そういうことはまったくなくて、普通の(?)マルコ・ポーロの話でした。
マルコ・イル・ミリオーネですな。
これは連作短編で、マルコ・ポーロが牢仲間たちに自分の体験を語る……という
おそらく史実でも実際にあったこと。それをこの作品では
その語りが同時に謎の問題提起になっており、
牢仲間たちがその謎をなんやかやと議論し、結局お手上げになって
マルコが正解をいう、という構図が繰り返される。
なかなか面白かった。奇をてらわないところが。
マルコが語るファンタスティックな異国の(←しかしあくまでもチープ)の
風景も面白かったし、マンネリに繰り返される牢仲間たちのなんやかやも。
まあこれでいいかと。
例えるなら「名探偵コナン」の大人版という感じ。
またこれかと思いつつも、正解がちょっと面白い。無理を感じる回もあったが。
なにしろ短編だから、謎解きとしてはちっちゃいですからね。
あえて文句を付けたい部分をいうなら、牢仲間の名前が、
ジーノ、ルスティケロ、レオナルド、ヴェロッキオ、コジモ。
前二者はいいとして、後三者はもう少し考えた方がいいんじゃないか。
レオナルドはありふれた名前であろうが、ダ・ヴィンチを思い出させずにはいないし、
ヴェロッキオは「炯眼の人」という意味で、一般的なあだ名じゃないと思うし、
コジモもまず思い出すのはコジモ・デ・メディチでしょう。
わざわざ歴史上の人の名前を引っ張って来ない方が。
でもこれはあえてなのかな。5人はちょっと多すぎるからね。
3人くらいで良かったんだけどね。ベストは4人かな。
語り手がナレーターに徹しているのが無駄遣い。語り手もキャラとして
台詞を多くすれば3人で良かった。
5人も出した意味がわからん。
わたしは柳広司はこれが1作目。面白かったので、今後も引き続き読もうと思う。
一応ミステリの人なんですよね?夏目漱石関連の何かも書いているという
噂も聞くのだが。面白いといいな。

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