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◇ スティーグ・ラーソン「ミレニアム 3 上下 眠れる女と狂卓の騎士」

面白かったんだが、読んで1週間も経つともう内容を覚えていない……。

1作目はわりと小さい話でこういう1話完結の話を続けていくんだろうなーと思ったが、
2作目は、ジャンルなんですかね?最後はホラーですが。1作目とは明らかに風味が変わり、
3作目は公安警察陰謀小説。次々に毛色が変わる。

戦略としては、せっかく爆発的に売れたんだから、1作目の路線で何作か稼いでもいいところ。
キャラクターもいろいろ動かせる造形だしさ。ワンパターンになるまでとは言わんから、もう少し見たかったが。
でもこういう風に話が広がったからこそ、勢いも出たわけで。まあ正解だったんだろう。

3作目はけっこういろんなグループが入り交じり、五つ巴くらいの戦いを展開する。
五つ巴じゃ利かないのか?細かく分けると、ミレニアムグループ・WASPグループ・ザラ・班・良いおまわりさんグループ・
良い公安グループ。ってなところか。六つ巴。

善側の方が終始有利に展開するのも好みだ。これが逆だとハラハラして大変にストレスが溜まる。
そういう傾向のサスペンスは苦手。
だが人が多すぎて……スウェーデンの人名もあまり馴染みがないし、主要登場人物でも関係性がうろ覚えの人がかなりいた。
前後の文脈で何とか(^^;)。

しかし、一応瀕死の状態で運ばれてきたからとはいえ、殺人未遂事件の加害者と被害者を、
そんな何部屋か離れただけの、すぐそばの病室に入れるかねえ?
意識不明とかならわかるけれども、歩けるようになってからもそうなんだよ。
普通に考えて、危機管理がなってない気がするけど。

ザラチェンコがあっさり死んだのが意外。もっとバケモノっぽく生き延びて、今後もさらにリスベットを
追い詰めるのかと思っていた。そういう追い詰められる系統は苦手なので、不気味な存在がいなくなってくれて安心した。

そしてこの話の山場、裁判場面。
あんまり裁判ものとか読まないから詳しくないけど、面白かった。まあもうちょっと緊迫感を出してもいいかもとは思ったが。
この作品は、ストーリーのわりに描写もあっさりだし、淡々と進んでいくからなあ。
そこがいいのだろう。大げさではなく。

アニカが細かい芸を発揮しているようだ。表情やタイミングでうまく相手の鼻面を引きまわしているように思う。
リスベットは「父に対する害意はなかった」と嘘をついている以外は素だろう。
始まってから4分の3くらいは、少なくともリスベットに対する包囲網は万全に思えたものだが、
そういった切り崩し方をしていくとはね。わたしは完全にエクストレム検事だな。

最後もう少し絶体絶命になるのかと思いきや、リスベットはうまく立ち回って、自分は蚊帳の外で強敵をちゃんと始末するのね。
少し上手くいきすぎだけど、こういうご都合主義は好きだ。

無罪になって、敵もいなくなって、金を湯水のごとく使えて……まあうらやましい。
あとはミカエルとの間柄がどうなるか、というところで。
作者が死んでしまった。

3作目で政府規模のところまで話を広げて、4作目はどうするつもりだったんだろう。
このペースで話を広げ続けていくと次が国家間陰謀、5作目が太陽系、6作目が天の川銀河系となる勢いだったんだが。
第4作は残された草稿を基に別人が話を書いたらしい。
あまり評判は芳しくないようだが、読んでみる。意外といけたりは……しないか。どうだろう。
でも4作目で多分完全に終わりなんだろうね。残念だな。作者が若死にをしなければもう何冊かは読めただろうに。

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