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◇ 法月綸太郎「法月綸太郎の冒険」

日本のある時期のミステリ――新本格はけっこう読んだつもりでいたのに、実は初法月綸太郎。
ガッチリしたミステリというイメージがあり、コワイ話じゃないかと敬遠してたのよ。
コワイ話はダメなので。

これは短編だというのでコワさも高が知れてるだろうと気を抜いて読んだら、
最初の「死刑囚パズル」で予想以上に、……コワイというよりはどっぷり?コッテリ?
よく考えられてるけど、なんか好きじゃない芸風だなあと思った。

だが読み進んで行くに従って、もう少し軽みが出てきて、図書館探偵ものは丁度良い軽さ。
これは初期作品集だというから、前半はむしろ素人っぽく力が入り過ぎているのかもしれないね。
有栖川有栖の「月光ゲーム」なんかと同じように。

新本格は、なかには考えすぎてバカバカしい話になっているのも散見されるが、
この人の話はちゃんとしていると思います。
長短取りまぜて7編が収録されていて、バラエティに富んだ内容だった。
こんな風にスタイルを色々取りそろえた短編集は珍しいかも。クイーンあり、内輪ネタあり。
「土曜日の本」が内輪ネタ。出てくる名前で白胸猟色が誰だかわからなかったのだが、誰?

法月綸太郎は、クイーンと言えばこれほどクイーンな作家もいない。
何しろ法月綸太郎の探偵役は法月綸太郎で、お父さんが警視ですから。
あんまり綸太郎のキャラも立ってないしね。クイーンと同じく、謎を解くための人。
図書館探偵物はその他の登場人物のキャラクターからすれば、もっと本人もキャラが濃くてもいいのに
けっこう薄いですよ。キャラ小説を書くのがきらいな人かもしれんが。

まあでも信頼できそうな話を書く人。
今後も読んで行くつもりでいて、次は「生首に聞いてみろ」予定なんですけどねえ……
これ、タイトル的にとってもコワそうなんだが、わたしが読めるコワさなんだろうか。
知人にお薦めされていて、とりあえず読んどかなきゃあかんのだが。

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