ははは。
ちょっと前に「ミノタウロス」を読んだ時に、貴族社会の話とかならわたしでも読めるから、
そっち系統を書いてくれ、と要望したところ、この短編集は見事に貴族周辺の話でした。
本の神様は時々、こういう親切――というか悪戯――をする。
しかしまあ佐藤亜紀ですと、わたしが望むよりも1,2枚上を行くのであって。
一応、話のテーマとしては歴史上の人物を持ってきてはいるんだけど、
またそのチョイスが……。やはりこんなんかい、佐藤亜紀。まあいいんですけど。
巻末にちょこっと「作者による解題」がついているくらいだから、マニアックなのは間違いない。
解題が解題になっているかどうかも微妙な部分ですけどねえ。
でも面白かったですよ、この短編集。元ネタがわからないなりに。
最初こそサド侯爵で若干メジャーだが、あとは――知らん。
「荒地」と「金の象嵌のある白檀の小箱」が面白かったなあ。
「荒地」のある部分が、以前わたしが考えたことのあることと若干重なる部分があり、
本人がどういうかはいざ知らず、ふうむ、と頷きながら読んでいた。
そして最後の「漂着物」。……相変わらず好きなように書いとるわ。
この人、デビュー作でさえそうだったもんねえ。サービス精神もないわけではなかろうが、
基本的には書きたいことを書きたいように……。何でもやりなはれ、という感じですね。


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