◇読んだ本の感想。

◇読んだ本の感想。

◇ 山之口洋「われはフランソワ」

予想以上に面白かった。最初、ジャンヌ・ダルクの話から始まったので、思わず○藤賢一の「傭兵○エール」が頭をよぎってしまったが……。忘れましょう。あのことは。実直な歴史物でした。一人称で、軽めではあるんだけど、その軽さが吉と出ている。フランソワ...
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◇ 万城目学「鹿男あをによし」

これはドラマを先に見た。そして今回、原作を読んだわけだが、そういう観点で言うと、「ドラマはだいぶ健闘したんだなー」と。あまり違和感がなかった。まあ藤原君を綾瀬はるかにしたのはテレビ局の視聴率狙いと感じて、今一つ評価出来ないが、その方が画面が...
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◇ 三浦綾子「氷点」

普段のチョイスとしてはほぼ読まないが、数年前に人に薦められたので(今回ようやく)読んでみた。名作の誉れ高い作品だと思っていたのだが…………これ、昼ドラですよね?文庫本上下巻の、下巻の310ページまでは昼ドラだと思う。そこから一瞬火サス。最後...
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◇ 森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」

最初のページから、いや最初から5行目で、森見登美彦の世界にぱっくり飲み込まれる。嬉しかったよ、わたしは。「ああ、これこれ!」という快さ。ぬくぬく。目出度し。読んでいる間中、かなり幸せ。なんていうのかねー。作品としてスゴイとか、文学史上の傑作...
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◇ 山之口洋「天平冥所図会」

この人は、ファンタジー大賞で何だか賞だった「オルガニスト」を読んでけっこういいじゃん、と思い、その後数年経ってから「0の男」を読み、単に古めかしいSFで、こりゃダメじゃな、と思ったのに、「天平冥所図会」はなかなか面白かったのであった。奈良時...
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◇ 辻邦生「嵯峨野明月記」

一の声・二の声・三の声、という独白が、交代しながら自分の事を語り続ける話。読み進んでいくに従って、一の声は本阿弥光悦、二の声は俵屋宗達、三の声は角倉与一であることがわかってくるが、……ダレ?角倉与一って?知りませんよ。了以ならかろうじて教科...
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◇ ラファイエット夫人「クレーヴの奥方」

「クレーヴの奥方」、そもそも読もうと思ってリストアップはしていた。そして先日源氏物語の関連書籍で、「クレーヴの奥方」の推薦文(?)を見た気がする。そのこともほぼ忘れていたんだけど、読んでいるうちにどことなく源氏物語を連想する口吻が感じられた...
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◇ 恩田陸「黒と茶の幻想」

誰かに教えて欲しいのだが……これ、どうして「黒と茶の幻想」ってタイトル?黒と茶って何かフィーチャーされてましたっけ?恩田陸の小説は、決して好きだとは言えない。わたしが求める心穏やかな、痛みの全くない小説とは、――真逆ともいえないところがまた...
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◇ スティーヴ・スクワイヤーズ「ローバー、火星を駆ける 僕らがスピリットとオポチュニティに託した夢」

ああっ!しまった!オポチュニティって「機会」って意味だったか!すっかり「楽天家」という意味だと考えてしまっていた!楽天家だとオプティミストですね。……まあ別に誰に話したこともないし、この誤解が実害を生んでいる可能性はないけれども。でもわたし...
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◇ ヘンリー・ジェイムズ「鳩の翼」

アメリカ文学最短コース遍歴中。なんか不思議な書き方をする小説ですね。わたしは総体から細部へ、という説明じゃないと頭に入らないので、まず基本設定をはっきり書いてほしいのだが、この作品は状況を説明する前に、人物たちの心情を細かく書いていってしま...