◇読んだ本の感想。

◇読んだ本の感想。

◇ 奥本大三郎「読書百遍」

奥本大三郎はフランス文学教授でエッセイストで虫屋。ここ数年でツブしているが、かなり面白いのと、まあまあ面白いのと、うーんなんかいまいち、というものの混交。これはかなり面白かった部類。たくさん書いて、さすがに少しマンネリと感じなくもないところ...
◇読んだ本の感想。

◇ レイモンド・カーヴァー「大聖堂」

面白いとどこかで読んだのでリストアップしてみた。「大聖堂」というタイトルなら少なくとも大聖堂のことを書いた話だと思ったから。そういう素材なら少しは馴染みやすいかもしれない。村上春樹訳。村上春樹は嫌いだけどね。そしたら、こういうスタイルは嫌い...
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◇ セルジュ・ブランリ「レオナルド・ダ・ヴィンチ」

2段組でこそないけれども、翻訳ものを500ページ読むのは面倒だった。数日に1回ペースで2週間くらいかかった。疲れた。何しろ重いんですよね。寝っ転がって読むから首が攣りそうになっていた。うーん。評伝として悪くはない。が、面白かったかというと、...
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◇ 塩田武士「騙し絵の牙」

前半はこれ面白くないかもなあと思いながら読んでいた。あえて点数でいえば65点くらい。70点から上が読んでまあまあ良かった本、という範疇になるので、ぎりぎり達しないくらい。後半、若干サスペンス風味がついてからは少し面白くなった。75点くらい。...
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◇ 辻由美「翻訳史のプロムナード」

たしか誰かのオススメで読んでみたのだったが……わたしの好きな書き手。池澤だったか、柴田元幸だったか。誰だったかな。忘れた。冒頭を読んでみて翻訳史は翻訳史でも、フランス翻訳史の本だったことに驚いた。日本人が書いてこのタイトルだったらまさかフラ...
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◇ アラン・ド・ボトン「旅する哲学 大人のための旅行術」

ジャケ買いならぬタイトル買い。まあ買わずに図書館で借りてるわけですが。こういうタイトルの本は、うっすい新書で、こけおどしで哲学なんて言ってるんだろうと思っていた。(←うがちすぎである)そしたら著者は哲学者らしい。おやおや。新書でもなく、まあ...
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◇ 川端康成「雪国」

うーん。今回は邪念含みで読んでしまったのが川端康成に申し訳ない。まあこういうわけだったんですよ。なので、「雪国」自体は短い話だし、ちゃちゃっと読んで「民宿雪国」に移ろうというシタゴコロがあった。ゆえに集中して読めてなかったなあ。これがなくて...
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◇ 樋口毅宏「民宿雪国」

たしかネット記事で川端康成の「雪国」のオマージュ作品だと言われていたから気が向いて読んでみたんだよなあ……。よく覚えてないけど、一個人のブログとかではなくて、書評家のブログか、インタビュー記事だったような記憶がある。そして読んでみたらナンデ...
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◇ 佐藤亜紀「スウィングしなけりゃ意味がない」

このタイトルだったら舞台はアメリカ。禁酒法時代とジャズの黎明期とをからめて(これが同時代なのかは知らない)、退廃的でノワールな世界をかっちり書くのだろう。――と思ったら舞台はドイツ。しかも第二次世界戦争中、ナチ政権下のドイツ。ジャズ好きの富...
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◇ 池上永一「統ばる島」

わたしとしてはスバルトウ、と読みたいところだが、作者はスバルシマと読ませたいらしい。いや、素晴らしいね。池上永一はデビュー作から多分全部読んでいるが、「テンペスト」以後10年ほど間を空けて再会したあと、「トロイメライ」にしても本作にしてもい...