◇読んだ本の感想。

◇読んだ本の感想。

◇ R.C.ウィルスン「時間封鎖 上下」

この話はなかなか面白かったんだ け ど 。でもSFってやっぱりわたしには向かないな、と思った。この期に及んで。大人の読書を星新一、新井元子、平井和正(と田辺聖子と永井路子の歴史もの)から始めたわたしとしては、SFが苦手だと告白することは正直...
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◇ 塩野七生「ローマ人の物語Ⅱ ハンニバル戦記」

カルタゴ関連の話は、どっち側から見るかによって、いつも気持ちが変わる。世界帝国になりつつあった軍事大国ローマが、カルタゴを滅ぼして街に塩をまいた、なんてエピソードにはカルタゴへの憐憫の情が増すし、ハンニバルが強くて強くて強かった頃には、ロー...
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◇ 夏目漱石全集7「行人 満韓ところどころ 思い出す事など」ちくま文庫

「行人」はタイトルからして意味がわからん。「行者」のイメージに引きずられるのか、仏教系の言葉かと思ったら、……いや、「ぎょうにん」と読めば「行者」のことになんですね。「こうじん」と読めば、道を行く人。通行人。旅をする人という意味。作品として...
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◇ 谷崎潤一郎「陰翳礼賛・文章読本」

ずっと昔、「陰翳礼賛」は読んだことがある気がする。が、内容はまったく覚えていない。今回の感想は、「でもわたしはどこでも本が読める程度の明るい照明が好きだ」ということ。おうちに間接照明が欲しいと思う人の気がしれない(失礼)もんね。なので、陰を...
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◇ イザベル・アジェンデ「エバ・ルーナのお話」

まず一言文句を言っておきたい。まさか「エバ・ルーナ」と「エバ・ルーナのお話」が違う作品だとは思わないじゃないですか!なので「エバ・ルーナ」を読む前に「お話」の方を読んでしまった!……まあ特に支障というほどのことはないようですが。でも順番に読...
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◇ 宮部みゆき「小暮写真館」

かなり前からリストアップして、今回ようやく読んだ。評判良かったですからね。わたしの中では、宮部みゆきと東野圭吾は好きな作家というよりも「上手い作家」。読んで「上手いなー」と高度なレベルで感心はするけれども、親近感にはあまり結びつかない。何冊...
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◇ 高橋秀実「おすもうさん」

わたしは特に相撲に興味はない。それでも若貴兄弟が活躍していた頃は何人かの力士は知っていたかなー。今はほぼ知らない。現役力士の名前を挙げろと言われても一人も出て来ない。そんなわたしには、この本に書いてあることはほとんど全て、初めて知ることばか...
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◇ 孫崎亨「アーネスト・サトウと倒幕の時代」

装丁がそれっぽかったので、てっきり学者本だと思っていたのだが、経歴の終盤に防衛大学校教授というのがあるとはいえ、基本的には外交畑の人。大使経験者。読み始めで文章に拒否感を抱いた。一文改行。わたしコレ嫌いなのよねー。日本語の書き方はそれなりに...
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◇ 石田洵「平泉をめぐる文学 芭蕉に至るロマン世界」

読み始めてから、書きぶりと出版社から自費出版かな……と思ってハードルを下げたが、それでも内容はなかなか良くて満足。面白かった。著者はたしか校長先生とかの経験者だったかな。わたしは20年以上前に平泉関連の書籍をけっこう漁った。この頃の記憶は八...
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◇ 柳広司「虎と月」

虎と月といえば「山月記」で、それは想像通りだったが、冒頭を読み始めた時には「え、これ短編……?」というような薄さというか小ささで、これがまさか1冊分の長編になるとは思わなかった。なりましたね、長編に。久々に面白かったと思った。柳広司は最初の...