聞いて驚け若竹七海!
わたしが今まで読んだこの類の本で、これが一番面白かったぞ!
(と、大々的に宣言しても本人の目に触れることはないであろうが)
文学散歩の類は――それはもう、星の数ほどあります。
読書も旅行もエッセイも好きなわたしは、これ系統はわりと好きなジャンル。けっこう読む。
……と言おうとして蔵書録をちゃっと見なおしてみたら、
自分で思っているほど読んでいないかもしれないことに気付いた。
実は「わたしが今まで読んだこの類の本」は10冊内外なのかもしれぬ。
……まあいいやね。たとえそれが5冊だろうと、一番楽しめたのがこの本であることは動かない。
文学散歩と名前がついてしまうと、文章的に淡泊になりがちなのかも。
だってテーマがはっきりしてるから、間違いなく興味がある人が読むわけで。
そうするとテーマだけで十分興味深いものになるので、そこからのプラスアルファがないというか。
この本の良さは、旅行記とユーモア・エッセイと文学散歩の割合が適度なところだな。
むしろ文学散歩の部分は少なめかも。そこで物足りない思いをする人も
もしかしたらいるかもしれないが、わたしはユーモア・エッセイとしてとても面白かった。
読みながら地下鉄や定食屋で、にやにや笑っていた。
そんなに特別なことは書いてなかったけどね。
でも同行者たちとの掛け合いが面白かったでしょう。
わたしにしては珍しく、買おうかな?と思ったのだが。
情報部分での利用価値は今回読んだだけで終了しているのだから、
買おうかなと思わせたのは、やはりその楽しい雰囲気ですよ。
だが文庫がない……。実はアマゾンには単行本の在庫もなく、中古があるだけ。
文庫があったら買っただろうけどなあ。
光文社もこういうのを文庫化せずに何を文庫にするんだ、と思わずメールをしようと思ったくらい。
でも光文社のホームページで、そういう内容を送れるフォーマットがなかったため
あっさり諦めました。とりあえずここに書いておく。
光文社の関係者に告ぐ。これは文庫にした方がいいですよ。
あと、この本のせいで読んでみたい本がずいぶん増えた。
本の紹介などは主に脚注で行われるのだが、この脚注でだいぶ課題図書リストが伸びました……。
30冊弱。……これがいいやら悪いやら。
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