これ、読む前にぜひ知っておいて欲しいんですけど、
〇著者はたかはし・ひでなりと読んで、男性です。
〇タイトルがあおってるし、サブタイトルが無駄にまともです。
なので、この内容を求める層にちゃんと届くのか心配。
端的にいえば、この人の書くものは「ユーモラスだけど、見た感じよりは多少マジメ」
という方向なので、あおりを求めている人にもマトモを求めている人にも、
微妙に合わない気がする。
内容はかなり面白かったですけどね。単純に笑えるという意味でも興味深いという意味でも。
今まで数冊読んできているが、この人は大変真摯に(そしてしつこく)取材をする人
っぽくて、それもあくまでも自分基準の一般人の肌感覚なのよね。
これはねー。少々まだるっこさもあるけど貴重。
ジェンダー問題なんて数字で語ろうと思えば、けっこう楽に1冊書けると思うんですよ。
でもこの人は自分の心に問いかける。自分の体験と照らし合わせる。
その上でその疑問に答えられそうな人を探してインタビューする。
なかなか大変なことだと思う。
まあ奥さんの描き方は、正直読んでいてハラハラするが……。
奥さんはこの人の本に出がち(というか必須登場人物)なのだが、言い方がきつくてなあ。
基本的には事実に即した会話なんだろうけど、もう少し事実よりも柔らかく書いても
いいんだよ、と思っている。
ちなみに34ページまではひたすら(男性である著者が)自虐に入っている内容なので、
人によっては不快になるかもしれない。まあこの部分にも示唆に富んだところは
あるのだが、もう少し控えめな自虐でもいい気がする。
ここで読むのを止めちゃう人がいるんじゃないかとヒヤヒヤするのよ。
いろいろ「ほほう」と思う内容はあったのだけれど、下手にわたしが引用すると
説得力が減るから……。この著者のぐだぐだな思考を一緒に辿って、それを味わってほしい。
古典から、人生相談から、心療内科医の意見から、子育ての経験から、
ボーヴォワールの著作から、臨床心理士の見解から、上野千鶴子の著作から、
女性ばかりの地方政党から、男装女子カフェから、草食男子から――
いろいろな観点からの話を聞きまくる。
でもわたしが一番衝撃的だったのは、終盤くらいの牛の話で、
……まあこれは内容は差し控えましょう。その数値に驚いた。
それを人間にあてはめてみた数値も。
ただし基本的に注意したいのは、参考にしている研究結果もちょっと正確性に欠ける
ものも交じっているようだし、著作などは、結局男性が女性について書いていることも、
女性が男性について書いていることも、お互いに両性を体験したことがないんだから、
決めつけは出来ないんじゃないかということです。
それは著者もわかって書いてると思います。
まあお暇があって、興味があったら、面白いので読んでみるのもおすすめです。
やっぱり違う部分はあって、それが個性の範囲であることも多いとはいえ、
どこまでが個性なのか性差なのか、わからないところが難しいですよね。

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