いや、地味に面白かったけどねえ。これ一作で翻訳が終わっちゃったのはどうしてなんだろう。
日本でも人気出そうなもんだけど。何がいけなかったんだ。
法廷弁護士、事務弁護士のシステムのコムズカシサ、ってことなのだろうか。
ここがとっつきにくかったのか。あるいはもう少し、話が派手だったら良かったのか。
あるいは勝つこともあれば(理不尽に)負けることもあるランポール、勝つ一方の方が良かったか。
正義は必ず勝つ式のカタルシスのワンパターンの方が。
この作品のユーモアもペーソスも、日本人にぴったりな気がするんだけど。
そもそも英国で相当長く連ドラになったそうだから、決して難解な話ではないはずなんだ。
日本で翻案されて連ドラの原作になっててもいいくらい。不思議不思議。
本作は短編6編。短編て、場合によってはさくっと書いただけで、薄っぺらい感じがするものも
多々あるが、これはこの短さで丁度。というより短いと感じない。
法律事務所の人数はもう1人2人少なくても良かったかもしれないけど、
ドラマだったらむしろこのくらいいた方が楽しいだろうな。
事務所の中の人間関係にも反目と協調があって、しかしギスギスはしておらず。
ランポールは、ちょっと子供でちょっと頑固で、ユーモアがあり、ちょっと変人。
世故にたけたというわけではなく、しかしベテランの弁護士としてのプライドがあり、
小さな事件も常に全力で勝利を求める。
法律分野の論点の微妙さなんかも描かれ、……ああ、ここらへんなのか?ネックは。
こういうところがすっきり分かりにくかったのかも。
いや、でもドラマでこういう部分をどう処理しているのかも気になる。
いかにもイギリス物らしいドラマだろう。見たいなあ。
50年から30年くらい前にドラマになったようだから、今さら輸入するのも難しいか。
クリスティやホームズはあんなに何度も再放送されているけどなあ。
まあ有名度が違うが。
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今さら翻訳が出るとは思えないが、出たら嬉しい気がするなあ。
図書館専門のわたしは売り上げには貢献しないと思うけど……
こういう時の頼りは国書刊行会か?しかしさすがに新訳まではしないか。
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