いかにもドイツらしいというか、さすがに昭和56年出版だというか、
タイトルも大時代なら装丁もドイツ的質実剛健。原著は1979年刊行らしい。
40年前か。でも読みやすかったですけどね。
一体ドイツには歴史上、何人のフリードリヒがいるのか……
お祖父さんがフリードリヒ1世、その息子がフリードリヒ・ヴィルヘルム、
孫がフリードリヒ2世(大王)。
その他に、こないだまで読んでた神聖ドイツ帝国皇帝としてのフリードリヒもいるんだから、
困ったもんだよ。絶対覚えられない。
一応興味のきっかけはフリードリヒ大王だったんだが。
それで前回の本を読んでみた。すごく面白くて、しかし小著なゆえのバランスの悪さもあるかもと思い、
本家本元のドイツ人が書いたこれも読んでみた。上下巻だからそれなりに王道なハズ。
……そしたら相変わらず、どこが面白いのかというと、おとっつぁんの部分なのでした。
フリードリヒ・ヴィルヘルム。前回の本でもどうにも笑える人だったけど、
前回の著者がとりわけ話を盛ったというわけではないようだ。
「お前たちは私を好きになるんだ!」のセリフは鉄板。
このヒト、けっこうカワイソウな人でね。
放漫経営?だった父王の後を継いで、軍事を整え、経済を活性化し……
名君だった要素も多々ある人なのに、とにかく厳しい暴君だったらしく。
家族にも国民にも愛されない王様だったらしい。
それがまた笑えるんだよなあ……。そしてイタイタしい。
あんまり優しくては改革も断行できなかったかもしれないけど、
もう少し、ほんの少し優しかったらね。
表紙の印象よりは読みやすく、面白かった。
だが2巻のほとんどは大王の部分で、それはいいのだが、
いかにして王となるかというタイトルよりは、王となった後の戦争や権謀術数が主。
タイトルと内容は少々乖離しているといえよう。大王の青年期の話とかは薄めです。
日本工業新聞社
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