「赤瀬川原平の日本美術観察隊 其の1」は3年前読んだ。
其の2もねー。悪くはなかったけどねー。でも1があって2だから、驚きがない分、感動がない。
すでに知っている物件もそこそこあったし。
物件として、これというものを一応抜いてみる。
長谷川等伯「松林図屏風」←前、テレビで見て釘づけ。実際に見てみたいものよ。静寂が聞こえる。
小林清親「両国花火之図」←浮世絵、錦絵はけっこう構図で勝負する。お、みたいなのが多い。
山本芳翠「浦島図」←わたしとは捉え方がだいぶ違った。わたしはここに西洋画黎明期の気負いを感じるが。
長沢蘆雪「海浜奇勝図屏風」←これは初見。見事。唸る。赤瀬川さんの文章も良し。
「旧金毘羅大芝居」←建造物。これは写真の撮り方に目が驚く。幾何学デザイン。
葛飾北斎「諸国滝廻り木曽路ノ奥阿弥陀ヶ池」←う~~~~む。ここまでいっていたのか、北斎。
葛飾北斎「西瓜図」←うん。不思議な雰囲気の絵だ。真っ黒な包丁の刃先の青さがびっくりするよ。
葛飾応為「吉原格子先の図」←お栄さんて画家だったのか。光の自在さがすごい。ゴッホに見せたい。
運慶「世親菩薩立像」←そう、これは本当に名作。じっくり見たことがある。無著像もコワイ。
豪信「花園天皇像」←言われてみれば、そのヘニャヘニャ具合はただことではない。赤瀬川さんのお手柄。
曾我蕭白「月夜山水図屏風」←端正から一歩はみ出た狂気。でも実際見ればまた印象が変わりそうだ。
小田野直武「不忍池図」←この池辺に芍薬の鉢を誰がなんのために置くのか。そこがすでに超現実。
物件としての良さと、赤瀬川さんの文章の面白さはそれほど一致しない。
前書きによれば、図版で見て書いたものもあるそうだからね。
図版がすべて悪いとは言わないけれども(わたしは雑誌で見たミレイの「オフェーリア」の虜になった。)
感動という意味においては、段階が下がるかなあ。
今、わたしは仏像が見たい気分。いい仏像がどっさりあるところというと、京都・奈良まで行かなならん。
ちょっと遠いなあ……。のんびりと1週間くらい気ままに回るような旅をしたいものだが……。
とりあえず実現の可能性は低いですね。
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