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◇ 吉田修一「永遠と横道世之介」

「横道世之介」「横道世之介 続」「永遠と横道世之介」。

ネタバレしますよ。

この3作で横道世之介シリーズは終わりです。

死んじゃうのよ。横道世之介が。

そのことはうっすら知った上で読み進めてたんだけどね。
読んでる間、「本当に死ぬのか、世之介」と思っていた。惜しい。
この人には永遠にこのままほのぼのと生きて欲しかった。

長寿の人生を生きて、めでたしめでたしで終わる世之介でも良かったと思うんだけどね。
日常系というには、ちょいと事件が必要な構成だから、ある種の時代劇のように
永遠に話を続けることは出来ないだろうけど、
40代、50代の世之介も書けば書けたと思うんだよね。
忘れた頃にやってくる、世之介シリーズではいけなかったのか、吉田修一。

わたしはこれ、書き手が飽きちゃったから殺したんだと思いますー。
これ新聞小説らしいのよね。単行本、そこそこ厚めの上下巻。
永遠に続けられるからこそ、そろそろ終わらせなくてはならなかった。
なんとなく終わってはスタイリッシュじゃない気がした。
よし、殺そう。……こんな感じじゃないかと。違うかもしれないけど。

まあだれる前にきちんと締めたのはある意味では正しい。
わたしが世之介好きだから殺して欲しくなかっただけで。

上巻はそれほどでもなかったけど、下巻は滂沱の涙を流していたので、
外読みは止めといた方がいい。
筋だけ読むとありきたり……かも。でもやっぱりこういう話は筋だけではないんですよね。

いるだけで周りを幸せにする人ってそうそういないと思う。
が、いて欲しいと思う気持ちがある。身近に世之介がいたとして、
その良さにわたしは気づけないかもしれないが、やはりどこかにいて欲しいとも思う。

これ(も)、映像化する前提で見ていたなー。
頭のなかでは完全に仲野太賀で動いていた。ぴったりだと思いませんか。
実は「横道世之介」は映画になっているらしいのよね。主演は高良健吾。
いや、高良健吾は違う気がする……。イケメンは必要条件ではないのよ。
というか、むしろイケメンでは駄目なのよ。

この時はヒロインは吉高由里子だったらしいのだが、どんなキャラクターだったか忘れた。
「永遠と」のヒロインは……二千花だろうね。あけみさんもいいキャラだけどね。
誰かなあ。あまり思いつかないな。
まあ月並みなところで二千花が有村架純とかか。あけみさんは伊藤サイリとかどうだろう。
あ、でもこの仲野太賀と伊藤サイリは「虎に翼」で近年共演済みだった。
ちょっとイメージが残るなあ。もうちっと姉御系の方がいいだろうか。

今回は書き手がメタ的に登場する部分が多少多めで、
こういうの好き嫌い分かれるだろうと思った。わたしは嫌いじゃなかった。
のんびり余裕を持って書いてる気がした。なので新聞小説だと後で知ってびっくりした。

きれいな話でした。こういう話だけなら吉田修一もコワくないんだけど、
今まで5作?6作?読んで1作だけ後味わるーい作品があったんだよね。
突然襲ってくる後味悪い系がコワイ。

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