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◇ 蓮見圭一「ラジオ・エチオピア」

わたしが読む意味は全くない本。読んだ時間がもったいなかった。
たしか一般人がネット上で言っていたんだと思うんだけど、この本は、
“美しい日本語が随所に散りばめられている”という感想に惹かれて読んだのだった。

……どこが?
どこに美しい日本語が書かれていましたか?指をさして教えてほしいです。
(ただし公正を期するために言えば、小説としては今一つである、という感想も
この人は述べていた)

もー、話の内容を書くのも面倒なので、アマゾンを見て下さい。

ラジオ・エチオピア (文春文庫)
蓮見 圭一
文藝春秋
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まあつまりは不倫の話でね。
なんだか変な女と出会って、だらだらだらだらメールをしている話。
あれだけ引用だらけのメールを書くか、普通。

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これで何をしたいわけなのだ、この何某は。(著者と呼ぶにも値しないので、何某。)
バッハとかロラン・バルトとか、ディキンスンとか、アルフレッド・ビネとか、
そういうことをこれでもかと書いとけばかっこいいとでも思っているのか?

まあ、それをかっこいいんだと思っているのだとしよう。
これは好き嫌いの問題だから、それをかっこいいと思っていることは(善に対する)悪ではない。

しかしかっこいいだけの小説を書いて、何か意味があるのか?

これは一応恋愛小説らしい。
しかし人間も、感情も、何にも書けてない。登場人物の意味もわからなければ、
主人公が何を考えているのか、どうして話がそうなるのか、全く納得出来ない。
全く核がない。うすっぺらぺら~。

小説に絶対不可欠なものである、想像力。
その想像力の輝きが1%もない。
創造力と言ってもいい。創造されたものの魅力、そういったものが欠片もない。
――最初に戻るが、単に「こういう単語を並べとけばかっこいいんじゃない?」とだけ考えて
書いたとしか思えないような中身のなさ。こういう人に物を書かせてはいけない。
間違って読んでしまうわたしのような人がいて迷惑する。

おそらくこの人はきっと、「楽して印税欲しい病」なんだな。
早坂真紀に続いて、書いてはいけない人認定。(方向性はだいぶ違うけれども。)
よろしくお願いします。

コメント

  1. こんにちわ。 より:

    Unknown
    そこそこはおもしろかったですけどね。
    澁澤さんの三島論と竹信悦夫さんの本に読み疲れて只で貰ったんでこういった活字もまあアリだと。読書の本流ですとは言えないかな。でもおしゃれは好きです。

  2. umeko より:

    いらっしゃいませ。
    正直5年も前に読んだ本はオボエテなかったりします。
    全然受け付けなかったことはかろうじて覚えてるけど。
    まあわたしはかっこいい(おしゃれ)と言われる作品はほぼ読んでないと思います。そもそもかっこいいというジャンルには一体どんな本が含まれるかな。村上春樹?片岡義男?それくらいしか思いつかない。
    地道な方向が好きですね。いい人の話が好きです。

    澁澤はそこそこ読みましたよー。彼の著作の中で軽めのものを10冊ちょっとくらいかな。それを読んで思うが、澁澤は外野からいろいろ超人イメージを付けられてるわりには、書いたもん読むと別に普通の人だよね。と思います。読みやすい。

    近年は種村季弘をゆっくり眺めていて、いまいち面白くないけど、ゆっくりだからまあいいかと思って10冊くらい読んでます。澁澤よりも種村の方の文章が濃い。

    総じていえば、面白いものに出会える人生の方がそうでない人生よりも面白い筈です。心は広く持った方がいい。……わたしはダメですが。