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<ルパン>

【ルパンと名の付いた冒険活劇もの。コスチューム物が好きな人向き。】

わたしはホームズ派だったので、そんなに思い入れないからいいんだけど、
ルパンが好きで見に行った人は納得できないだろうなあ。

ルパンの前半生の大河ドラマみたいになっているので、話は淡々と進んで行く。
これほど淡々と進んでいいのか?と思うくらい。それなりにメリハリはつけようとしているけれど、
強弱はあっても緩急がないっていうか。「オペラ座の怪人」もそんな感じだった。
これで2時間超えは多少飽きる。

ルパンがルパンらしくない、というのがそもそも失敗ではないか。
鮮やかさがないんですね、することに。地道にイロイロやってて、だいたいは出し抜かれて……
ルパンはスマートにかっこよくないと。ああいうキャラクターにするんだったら、
別にルパンじゃなくてもいいんだよなー。

……いや、この作品の最大の欠点は、主役のアゴだ。

ロマン・デュリス。役者としては、滅茶苦茶けなすほど悪くはないと思う。
もっと癖のある役をやらせてみたいな。屈折した人間なんか、意外に雰囲気を出すんじゃないか。
しかしねー、ルパンには厳しい。
とにかくあのアゴが目についてしょーがない。しょっぱな、登場の時の撮り方が最悪。
ヨーロッパの人間は、多分アゴ長に関しては日本人より拒否反応がないような気がするんだけど、
あのアゴと無精ひげはないだろ。パンフレットで見ると、それほど目立ってないんだから、
撮りようによってはもう少し何とか……

「運命の女」カリオストロ伯爵夫人はクリスティン・スコット・トーマス。
わたしはこの人、「フォー・ウェディング」でちょっと好きだったから、見られて嬉しいけど、
悪いけど老け顔なんだよね。実年齢45歳。が、痩せて油気のない感じで、実は50以上に見える。
それでルパンと恋に落ちるのには無理を感じた。

ルパンの妻?にエヴァ・グリーン。そうですか、「キングダム・オブ・ヘブン」で
オーランドと不倫した人ですか。きれいで、雰囲気あって、良かったですけれどね。
この人見ると、どうしてもソフィー・マルソーとだぶる……。

それから、冒頭ちょっとだけ出て来るルパンの母は、「コーラス」で紅一点だった
マリー・ブネル。好きな顔なので嬉しかった。

この映画でよかったのは、1に衣装、2にロケ地。画的には豪華で、きれいだった。
フランスの自然もちょこちょこ美しい。海岸の白い岩、草原、川と森。
もちろんベル・エポックの貴族階級の風俗も。カルティエが協力しているだけあって、
宝石もばりばり出てきたし、衣装も見てて楽しかった。たった百年前はこんなに優雅な
(しかし動きにくい)格好で皆、街を歩いていたんだなあ。
この部分をどのくらい楽しめるかで、好き嫌いは大きく変わると思う。

あちこちの貴族の館を使っているのも良かったな。再びルーブルを使っているのもちょっと笑えた。
どうしてって、この監督、「ルーブルの怪人」を撮った人なんだもん。
あれもなかなか……アレな映画だったが、ソフィー・マルソーはきれいだったからいいや。

だがしかし。重箱の隅をつつかせてもらうぞ!
パンフレットのストーリー紹介の文章はオカシイ!最初の段落に「これをここで書くか?」
と思うようなことを書いちゃってるし、「かどわかす」という言葉の意味を勘違いしているようだし、
映画と内容の合っていない箇所もニ、三あるし。矛盾があるところも。
パンフレット自体は値段も普通で内容もまあ普通、でもここは気に入らない。
もう少しがんばりましょう。

コメント

  1. あん より:

    あご、ねー。
    顔が濃すぎ!こっちにも遊びに来てね。