【妄想につきあってあげるつもりで。】
あー、ほっとした。わたしは「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」がものすごくダメだったので、
今回のこれは覚悟しつつ行った。これも全然ダメだったら、ティム・バートンとは訣別するつもりで。
そうしたら、こっちはなかなか楽しめました。あー、なんか実にほっとした。
最初から「ブラックだブラックだ」と呪文のように呟いていたのも良かったのだろう。
ナイトメアよりははるかに健康的。一ヶ所、ちょっとわたしの許容範囲よりクロい部分があったけど
(人形の部分)、それくらいで、あとはまあ、耐えられないブラックさということはなかった。
個人差はあるでしょうけれどね。
ただ、これも「真夜中の弥次さん喜多さん」とかと同じ系列で、真面目に見ているとツライかもしれない。
子供はこれでもか!というほどイヤな姿に描かれているし。画的に、すごくぴっちり作っている
部分はきれいなんだけど、妄想力全開!という部分はちょっと不気味。
なので、監督の脳内の妄想に付き合ってあげているつもりで、ですね、
のほほんと見る程度がいいかも。
デップの登場シーンが、意表をつかれた。
しかしまー、あの男も、変な役がはまりますねー。変な役を普通に見えるように演じるタイプの
コメディ系の人はけっこういそうな気がするけど、変な人を変なまま、しかも受け入れさせちゃうのは
この人の技じゃないかなあ。スパロウ船長も結局最後まで変な奴だったけど、変な奴のまま魅力的。
笑えたのは、歌のシーン。歌詞とメロディとダンスとダンサーの相互のギャップがすごい!
あの役にディープ・ロイなる役者さんをもってきたのが大成功!!すばらしい!ここ一押し。
一人数百役もすごい!
家族のキャスティングも良かった。
おじいさん、なんか懐かしいと思ったら「グリーン・フィンガーズ」にでていた人だなー。
それから、少年にゴールデン・チケットが当たる店にいた「50ドルで買い取ろう、の客」は
「ノッティングヒルの恋人」で変人の客(チョイ役だが……)を演じていた役者さん。
ここでも吹き出してしまった。あれ、印象強かったもんなあ。
そして、クリストファー・リーがこんなとこにも出ているとは思わなかった。
デップとリーの抱擁シーンなんて、二度と見ることは出来ないだろう。
最後、はっきりハッピーエンドになるわけだが、これは原作と違うらしい。
でもわたしはこうしてもらって良かったな。ここまでしてくれて初めて開放感が味わえる。
少年とデップが別れたまま終わったら、やっぱり後味が悪かったと思う。
……ま、内容はこの上なくベタだが……。でもちょっと泣けたんだよな、切り抜きのところで。
やっぱりファンタジーはめでたしめでたしが王道さ。
ティム・バートンには、今後も出来ればこのくらいのソフトさでお願いしたい……。
(でも次作「コープス・ブライド」は、予告を見る限り、すごくクロそうだ。
こっちは止めておこう)
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