◇読んだ本の感想。

◇読んだ本の感想。

◇ 宇月原晴明「信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス」

共時性というのは面白いもので。本を読んでいると時々起こる。文字が文字を呼んだ気がして、その魔法的感覚が愉しい。この本を読む直前に読んでいたのが、澁澤龍彦「異端の肖像」。これはタイトル通り、異端の人物についてのエッセイ集なんだけれども、そのな...
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◇ 高野史緒「アイオーン」

以前「ムジカ・マキーナ」を読んだ時はパラレルと書いたけれども、この本の裏表紙に歴史改変小説とあって、この方がピンと来た。今回のこれも、舞台は中世でしかし最終戦争後という設定。ありがちではあるけれど、技術文明が遺物になっている世界の話。薀蓄の...
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◇ 素樹文生「上海の西、デリーの東」

この本は、だいぶ以前に本屋で平積みになっている時から気になっていた。タイトルがけっこう決まっているじゃないですか。が、このツキすぎ感の漂うタイトルのせいで、どうせ「深夜特急」路線だろう、というイメージがあったのは事実。実際に読んで見ると、「...
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◇ ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」

こんな機会でもなければ、まず絶対に読まないだろうと思ってがんばって挑戦してみた。ま、眺める程度に。想像通り総合的にはつまらなかったわけだが……しかし、予想よりとっつきやすかったのはとてもありがたかった。これはやはり訳者たちの才のおかげだと思...
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◇ 高橋治「星の衣」

久々たっぷりした小説。ページ数的にもたっぷり600ページ弱。非常に贅沢なことを言えば、話の肉部分のわずかなもっさり感が気になったが……いや、でもここまで贅沢を言っちゃいけないだろうな。骨部分は非常にいい話でした。きれいな話。沖縄を舞台に、伝...
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◇ 高野史緒「架空の王国」

道具立てはかなりわたしの好みなんだが、話としては今ひとつだなあ。総合的にはやや不満が残る。どうもひっかかるストーリー展開。細かい部分で納得させてくれないのだ。その納得出来なさというのは、例えていえば、「虎」というタイトルの絵がどうしても虎に...
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◇ 恩田陸「『恐怖の報酬』日記 酩酊混乱紀行」

これ、装丁が反則ですよ。見れば一目でわかる、「地球の歩き方」の丸パクリです。やるかねえ、こういうことを。押しも押されもせぬ人気作家の恩田陸が。まるでパチもんではないか。初恩田陸がこの本でいいのかなあ。不安。一応この本はイギリス・アイルランド...
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◇ 斉藤直子「仮想の騎士」

これは歴史ドタバタってことでよろしいか?最初は文章の軽妙さが好きだったんだけどな。キャラクターもイヤミなく。が、話も半ばまでくるとあまりに薄すぎて首を傾げる。一体いつになったら小説になるのだ?これまでのところは、細切れのシーンを繋げているだ...
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◇ ラスキン「建築の七燈」(ただし40ページまで)

初めの数行で、まずつまづく。   本書は、私が今まで出版した書物の中で最も無駄になってしまったものだと思い、   私は再版しようとは思っていなかった。(中略)   しかし、多くの人々が、今なお本書を愛読していることや、本書のどの部分が自分た...
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◇ 辻邦生「フーシェ革命暦 1 2」

この人って……ほんと、相変わらずだよ。相変わらず長書き。「自分にとって面白い作品」という存在はかなりある。愛せる作品もまあそこそこある。が、作者にまで愛着を持てるということはあまりないことだ。個人的にお話をしてみたい作家なんて、ほんとに数え...