◇読んだ本の感想。

◇読んだ本の感想。

◇ 堀田善衛「ラ・ロシュフーコー公爵傳説」

ヨンデモ本のご紹介。去年の年末に初めて読んで以来、堀田善衛のものはこれで6冊目。正直最初の1冊目ほどは感心しないけど、まあまあそこそこ面白く読んでいます。この本は、タイトルからして知識本だと何の疑問もなく思いこんでいたが、一行目から「私」と...
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◇ 赤瀬川隼「白球残映」

ヨンデモ本のご紹介。少年~老人がそれぞれ主人公という短編を順番に並べた、やわらかでやさしい短編集。全5編のうち、少なくとも後半3つは野球が主たるモチーフなので、いずれの年代にせよ、野球少年だった人には一層ノスタルジアが味わえるのではないか。...
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◇ 米原万里「マイナス50℃の世界」

1ページ目から心の中で「ううむ」と唸った。この本は次の文から始まっている。   「お元気ですか。こちらはもうすっかり暖かくなりました。外の気温はマイナス21度。   暑いほどです」   これはヤクート自治共和国(現サハ共和国)に住むテレビ局...
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◇ 田中充子「プラハを歩く」

最近この人の著作を3冊読んだ。……だが、どうも読んでいてイライラする。1冊目に読んだのは「プラハ 建築の森」という本。プラハ建築の森posted with amazlet at 09.05.22田中 充子 学芸出版社 売り上げランキング: ...
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◇ 藤森照信他「奇想遺産 世界のふしぎ建築物語」

藤森さんが書いた記事数は少ないので、藤森照信他と記載すると文句が出るかもしれない。前書きは松葉一清という人が書いており、著者連名の5人の中で最初に名が挙がるのは鈴木博之という人。でもまあわたしは藤森さんがゆえにこの本を読んだので。面白かった...
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◇ 「八木幹夫詩集」(思潮社現代詩文庫176)

本を読む人には実生活上もちらほら会うが、その中で詩を話題にする人はほぼ皆無だ。長い人生の中で、わたしの周囲で詩について口にした人と言えば、与謝野晶子を愛し、わたしに時実新子を教えてくれた知人A。(詩じゃないけど、短歌・川柳はもっと稀少)大学...
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◇ 古川日出男「ベルカ、吠えないのか?」

この本を読んだのは、以下の記事を読んだからなのだが。しかし読了してから読み返すと、この記事はものすごくまわりくどくしか語っていない。なんでコレで読もうと思ったのか、今となっては不思議だよ。いやでもこれは……どんな小説か簡単に表すのがすごく難...
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◇ 宮尾登美子「クレオパトラ」(上下)

これはヒドイなあ……。これが新刊で出た頃、本屋に平積みで並んでいたのを見て、「へえ、珍しいもんを書いたな」とちょっと面白く思った。宮尾登美子と言えば、「苦難に耐え、やがて花を咲かせる日本のおんな」を書く作家。そんな彼女がクレオパトラか。ここ...
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◇ 千足伸行「ミュシャ 生涯と作品」(もっと知りたいシリーズ)

世にビジュアル本は色々あり、大抵はそこそこ楽しめる作りになっているが、この本は「お、いいじゃん」というレベルまで持って来ていると思う。まずB5判っていうところが良い。大抵のビジュアル本は、昔のとんぼの本(あの判型は何と呼ぶのだろう?)の大き...
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◇ 梨木香歩「からくりからくさ」

正直、1冊の本に要素を詰め込みすぎ。染色関連の書き方は少々付け焼刃と感じたし、クルド人までは持って来なくて良かったと思うなあ。あとラストがけっこうランボー。そこまではしなくてもいい。そこまでして欲しくない。というようなことは思うが、物語書き...