◇読んだ本の感想。

◇読んだ本の感想。

◇ 入間田宣夫「平泉藤原氏と南奥武士団の成立」

20年くらい前に平泉関係の本を相当読んだ。それ以降出版された本をある程度つぶそうと思ってリストアップしたなかの一冊。入間田さんは平泉が専門の歴史学者。この本は歴春ふくしま文庫というシリーズとして編まれたらしい。歴史春秋社という会津にある出版...
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◇ 万城目学「べらぼうくん」

てっきり小説だと思って読み始めたらエッセイだった。実は今まで読んで来た万城目学のエッセイはいまいち……ちょっと薄くて。でもこれはけっこう面白く読んだ。これは大学受験を失敗した時点から浪人、就職を経て、小説家になるまでのイロイロを書いたエッセ...
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◇ フランソワ・チェン「さまよう魂がめぐりあうとき」

訳者・辻由美がゆえに読んでみた。この人の訳は好きだ。このタイトルで荊軻と高漸離の話だと知った時は意外だった。そもそもフランス語で書く中国系の作家が、古代中国を書くとは思わなかった。まあ思い込みですが。すごく短い小説なんですよね。小さめの単行...
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◇ 丸島和洋「武田勝頼 試される戦国大名の器量」

面白かった。みっちり面白かった。良書。力作。タイトルからイメージするほど人物評伝ではなかった。戦国期の武田氏を中心にした、主に北条・上杉・織田・徳川とのわちゃわちゃ。いや、わちゃわちゃじゃなくて、しっかりした歴史解説。わたしの武田勝頼のイメ...
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◇ 風呂本武敏編「アイルランド・ケルト文化を学ぶ人のために」

内容自体はちょっと難しいし、近年の記憶力の低下からしてほとんど覚えていないのだが、読み始めてから「ほう、こういう本か」と意外性があったのでおすすめしておきたい。この1年くらい、5、6冊ケルト関係の本を読んでいたのよ。で、その一環でこの本を読...
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◇ 稲見一良「ダブルオー・バック」

ハードボイルドはキライなのよ。なら読むなって話だが、この人の小説は、読むと「面白い」と思わされちゃうのよね。道具立てはほぼキライなのに。たとえていえば、嫌いな食材を使った美味しい料理という感じ。読むのはこれが4作目か5作目。今回が一番ハード...
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◇ テランス・ディックス「とびきりお茶目なイギリス文学史」

とびきりお茶目な=かなり簡易的なイギリス文学史だった。簡易的でもあり、ノリが軽くもある。でもわたしにはこのくらいが適当だった。おかげで何人か、評伝と作品を読んでみようかと思った作家が出来た。まあ実際に読むのは早くて8年後くらいだろうけど。そ...
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◇ 劉一達「乾隆帝の幻玉 老北京骨董異聞」

うーん。近過去中国風俗は面白かったけど、正直飽きたなー。長かったしね。単行本で500P弱だったから。現代中国作家を読んだのは……なんか一人くらいいた気がするけど、その名前はまったく出てこない。初めてである可能性もある。なので比較してどうとか...
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◇ 吉田修一「国宝」

いやー、上手だねえ。吉田修一。わたしの中で上手な作家は宮部みゆきと東野圭吾。(好きというほどではない)その後の世代ではこの人なんでしょうかねー。現在流通している小説をほとんど読んでないわたしがいうのもなんですが。新聞小説であることにも気づか...
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◇ 高橋秀実「からくり民主主義」

この人はルポライターで、各内容、諧謔なのか揶揄なのか判然としないが、ユーモラスにつづられている。内容は決して深くはない。でもそこがいい。今回のテーマは短編で、全部で11点。「クレームの愉しみ」「小さな親切運動」「統一教会とマインドコントロー...