◇読んだ本の感想。

◇読んだ本の感想。

◇ ドライサー「シスター・キャリー」

アメリカ文学最短コース遍歴中。「シスター・キャリー」には、アメリカ文学的ジャリジャリ感は感じなかった。なので可。しかし別な意味では大変読むのがツラかったので、下巻はけっこうザク読みでした。なんといってもハーストウッドの凋落ぶりが痛くて……。...
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◇ 森絵都「DIVE!!」

こないだ読んだ「永遠の出口」が相当につまらなかったので、今回のこれも全然期待せずに読んだ。……ら、面白かった。かなり楽しめた。このくらい楽しませてくれれば有難いですよ。ラムネ。の味ですね。栄養にはならんけれども爽やかで口に甘い。懐かしさと、...
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◇ フィリップ・プルマン「ライラの冒険シリーズ」

うーん。だいぶ不満が残るなあ……。三部作なんですよ。「黄金の羅針盤」「神秘の短剣」「琥珀の望遠鏡」と。このうち、1作目と2作目はまあまあ納得出来る話だったんだけど、3作目を読んでへ?と思う。なんかものすごく無理くり終わらせてないか。1作目と...
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◇ 平出隆「鳥を探しに」

うぎゃ。……本の実物を見た途端、思わず呟く。ページ数(660ページ)は事前に知っていたけど、二段組かい!しかもこんなに小さな活字で……もう少し読む人のことを考えて欲しいものだ。装丁がまず目を惹く。表紙の絵は、素人っぽさのある、しかし優しい、...
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◇ 堀田善衛「別離と邂逅の詩」

あまりにも素直な詩でびっくりした。この時代の人って、もっと硬い、あるいはとんがった詩を書いていたんじゃないの?これではまるで……中原中也あたりの時代と同じだよ。と思ったら、中原中也と堀田善衛って生年は10年くらいしか違わないのか!これもびっ...
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◇ 森茉莉「贅沢貧乏」

初森茉莉作品。どうして今まで読んでないか、つらつら考えてみるに“耽美小説の書き手”という頭があったせいだな。今となっては「耽美小説」なんて言葉、忘れかけるほど死語ですね。それを忘れたからこそ今回読む気になったのだが。……しかしまあこの人、―...
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◇ 柴田元幸 高橋源一郎「柴田さんと高橋さんの 小説の読み方、書き方、訳し方」

アメリカ文学部分は、ふむふむ、さようでございますか、と(わたしにしては)かなり素直に読んでいたのに、日本文学の段にさしかかると「こめんどくさいんじゃい!」と言いたくなることが増えて。そうなると、アメリカ文学部分もやっぱり同じくらいこめんどく...
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◇ ジョン・バンヴィル「コペルニクス博士」

最初は幻想の手法で書かれた伝記だと思ったが実は違った。伝記の皮をかぶった幻想小説でした。佐藤亜紀、至上の一冊だそうだ。なので「どれだけ曲者なのか」と思いつつ読み始めたのだが……あれ?けっこう普通だ。タイトルのコペルニクス博士が、まさかあのコ...
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◇ 三雲岳斗「旧宮殿にて  ―15世紀末、ミラノ、レオナルドの愉悦―」

まとまり具合と上品さを評価するべきか。物足りなさを難ずるべきか。歴史上の人物を探偵役に持って来るのは、けっこうな人数の作家が試みている。好きな方の作りなので、わたしもこれ系統はわりと読む。でもそんなに名作と感じるものはありませんな。一作を除...
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◇ 夏目漱石「草枕」

「草枕」で有名な文章と言えば、   智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。   とかくに人の世は住みにくい。――だが、それは脇に置いといて、この作品には頷かれるところが多かった。夏目漱石を好きなのは、まさに然り、と言...