◇読んだ本の感想。

◇読んだ本の感想。

◇ 宮脇俊三「時刻表2万キロ」

ああ、なるほど、中央公論社の重役だったのね。本文に書かれてないので、本職は何なんだろうとずっと不思議だった。面白かったですよ、これ。1978年発行だが、それをあまり感じさせない。もっとも当時はJRじゃなく国鉄で、もちろん時代風俗はそのまま出...
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◇ 「茨木のり子全詩集」

全詩集というから相当な分量かと思ったら、案に相違してそこまでではなかった。本人の詩集としては2段組で300ページくらい。(そのあとに草稿と、本人が訳した韓国の詩人の作品が続く。全体では450ページほど)内容も相俟って、かなり読みやすい部類。...
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◇ 竹下節子「不思議の国サウジアラビア パラドクス・パラダイス」

竹下節子の義理の弟さんがサウジアラビアに赴任していたらしい(執筆当時)。それを奇貨として、なかなか入国が難しいサウジアラビアに短期間滞在し、レポしたのがこの本。どのくらい滞在していたかは不明。さすがに1週間2週間ではないと思うが……。3か月...
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◇ ミシェル・トゥルニエ「魔王 上下」

小川洋子は「主人公のティフォージュが“担ぎ”の意味を知っていく物語」と言っているし、本の裏表紙の要約には「幻想的戦争小説」と書いてあるんだけど、わたしに言わせれば、そんな大層なテーマではなく。……これは、フェチの小説ではないのか。三日月の光...
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◇ 森谷明子「千年の黙 異本源氏物語」

このタイトルは「せんねんのしじま」と読むそうだ。普通にもくと読んでしまいますが。とってもまともな話でした。まともすぎるほどまとも。そういう意味では若干面白みが足りないかも。しかし源氏物語を要素として取り上げて、ここまでちゃんと書いてくれるな...
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◇ 宮田珠己「スットコランド日記 深煎り」

これは「スットコランド日記」の続編。……この日記を読んでいると、宮田珠己の本を買ってあげないとなー、と思います。だってこの人のエッセイ、面白いんだもん!こういう人には書き続けて欲しいもん!でも日記を読むと、経済的にはけっこうツライらしい……...
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◇ スタンダール「パルムの僧院」

池澤推薦なので読んでみた。ちょっと前に「カラマーゾフの兄弟」を読んでいたので、何となく比較しながら読むことになったのだが、こちらはどうにも軽め……。ロシア的重厚さが好きというわけでは全然ないけど、「カラマーゾフの兄弟」がベートーヴェンの第5...
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◇ 狩野良規「スクリーンの中に英国が見える」

やはり出来るな、国書刊行会。と言いたくなる良書でした。国書刊行会は、知る人ぞ知る秘密結社――ではなく、一応普通の出版社っぽいんですが、それでも他とは違った毛色を感じる。この辺、どうなんですか、詳しい方!わたしの場合、出会いが「山尾悠子作品集...
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◇ 有川浩「三匹のおっさん」

うーむむぅ。「図書館戦争」の第一巻がえらく気に入り、しかしだんだん巻数を読み進んでいくにしたがってそのラノベくささが鼻につくようになり、別冊に至ってそのあまりの……甘さに「二次創作かよ!」とツッコミも入れ、敬遠気味だった有川浩ですが、――や...
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◇ 森於菟「父親としての森鴎外」

森茉莉、小堀杏奴、森類と、家族から見た森鴎外についての著作を見てきたが、最初に結論を言えば、――オトが一番普通で安心。異母弟妹たちの著作は「パッパはえらい!」「パッパは私をこんなに愛してた!」という主張が激しすぎて疲れる……。なんというかこ...