◇読んだ本の感想。

◇読んだ本の感想。

◇ 笠井潔「群衆の悪魔 デュパン第四の事件」

まあこういうのもあっていいかな、わたしは嫌いだけど、と思いつつ読んでいた。422ページの作品の、だいたい350ページまでは。しかし最終盤を読んで呆れたね。もともと久々にガチガチの本格推理を読むつもりで読み始めたんだよなー。副題に「デュパン第...
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◇ 塩田武士「盤上のアルファ」

塩田武士は3冊目。前の2冊、道具立てはいいのにどうも歯ごたえがなく、合わない作家だと思った。この作品は前に千葉雄大主演のドラマを見て面白かったので、最後にするつもりで。そしたら千葉雄大主演は「盤上のひまわり」でした。別ドラマ。ただこっちもド...
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◇ 高橋秀実「弱くても勝てます 開成高校野球部のセオリー」

いやはや、この本は大笑い。1ページに2回くらい、いやそれ以上笑っていた。久々ですよ。こんなに笑える本は。タイトルからすると、わたしが苦手な自己啓発本の類なのではないかと読む前は疑心暗鬼だった。「弱くて勝てるわけないやん。もしかして野球で負け...
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◇ サラ・コードウェル「かくてアドニスは殺された」

ひさびさにコージー・ミステリの面白いヤツ。不満は少々あれども楽しく読んだ。古さは感じるが。特にハヤカワポケットミステリの装丁だと。イギリス本国では1981年刊行。作者はこのシリーズを4作書いて、他に他作家とのアンソロジーにちょっと書いて、そ...
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◇ 網野善彦「東と西の語る日本の歴史」

ひっさしぶりに日本史の概説書を読んだわー。やっぱ網野善彦、面白いなあ。日常生活ではあまり「東」「西」を意識しないようにしているんだよね。人間は差異を探すと無限にあり得るもので、それが距離になり疎遠になってしまう。そんな気がするので口には出さ...
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◇ 島尾敏雄「夢のかげを求めて 東欧紀行」

努力して読んだ。島尾敏雄の名前は人生の中で何度か聞いていて、いつかは読むんだろうと思っていた。先日、ようやく何だかって作品を初めて読んでみたところ、……精神を病んだ妻の付き添いで精神病院で暮らす、精神的に不安定な作家。という不安に満ちた私小...
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◇ 北村薫「飲めば都」

まあまあ面白かった。あくまでもまあまあ。……でもわたしは北村薫に対しての見方をそろそろ改めるべきかもしれない。昔はすごく好きだった。初めて読んだ時は衝撃を受けて。一目惚れ、というべきにやあらむ。その繊細さが好きだった。当時北村薫は覆面作家で...
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◇ 円地文子訳「源氏物語」

書くつもりになればそれはそれは長い……しかし思いのたけを全て書くとなるとものすごっく長くなりそうだし、何かと大変なので一般的な話を。わたしは与謝野晶子訳→「あさきゆめみし」→田辺聖子訳→ときて、今回円地文子訳を読んだ。原文は読んでない。与謝...
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◇ 池澤夏樹「砂浜に坐り込んだ船」

短編集。レイモンド・カーヴァーの短編「大聖堂」を読んだすぐ後に、池澤夏樹の「大聖堂」という短編を読む。共時性。池澤は好きな作家だが、ちょっとキライ。理由その1。インテリ臭が過ぎる。理由その2。作品に問題意識を盛りすぎる。なので小説自体はそん...
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◇ ウィルキー・コリンズ「白衣の女 Ⅰ Ⅱ」

ああ。ウィルキー・コリンズって「月長石」の作者か。昔、読んだ。……読んだよね?内容はまるっきり忘れているけど。数年前に、それまでの読書記録の半分くらいのデータが飛んでしまったので、読んで来た本の正確なところがわからない。「英国最初の探偵小説...