◇読んだ本の感想。

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◇ 宮田珠己「無脊椎水族館」

宮田珠己は好きな書き手。ほわほわのユルユル。しかしほわほわとした文章に反して、本人はかなり真面目で思い悩むタイプらしく、ここのところずーっと思い悩んでいる。思い悩んだ時は水族館に行って変な生物を見よう!という趣旨の本。久々に真芯に当たった感...
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◇ 藤森照信「藤森先生茶室指南」

こういうタイトルになってはいるが、内容は藤森茶室作品の振り返り。とはいえ、作品自体の解説はそこまで詳しくはなくて、内容の主体は、藤森照信は茶室をどう考えているか、ということ。……あれ?ってことはタイトルが合っているのか?けっこう対談が多かっ...
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◇ ケイト・チャールズ「災いを秘めた酒」

久々に好みの海外ミステリを読んだわー。創元推理文庫のピンクの背表紙。これはコージー系が多い。でもコージーコージーしてないコージーでした。解説でコージーと書いてなければそうは思わなかったかもしれないな。ただでさえ翻訳物はゴツくなりがちなものだ...
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◇ 河盛好蔵「私の随想選 第一巻 私のパリ」

誰だったか忘れたけど誰かがおすすめしていたので読んでみた。全7巻だけど、面白くなければすぐ止める気満々。そしたら面白かったですねー。この人はフランス文学者らしい。フランス文学の翻訳をしているらしい。その人が若い頃を過ごしたパリの思い出を語る...
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◇ 中野美代子「カスティリオーネの庭」

前に中野美代子を何冊か読んだと思うから、これも多分2度目。再読は珍しいですよ。でも前のことはほとんど忘れているので、今回も楽しく読みました。カスティリオーネは乾隆帝の世に活動した西洋画家。中国(当時は清)に宣教師として赴任して、長く滞在し、...
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◇ 筒井康隆「旅のラゴス」

ネット上の個人記事でおすすめされていたので(←約8年前)読んでみた。筒井康隆は何十年か前に読んでいる。家にあったから。でも癖がある作風だし、手あたり次第に読んだという感じではないな。好きそうなものを読んでみた程度。20冊は読んでない。面白い...
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◇ 田中仁彦「ケルト神話と中世騎士物語」

安定と信頼の中公新書。ここ20年くらい雨後の筍のように新書のレーベルが乱立して、内容の薄さが酷いと思っているんだけど、レーベル乱立時代より前からしっかりとした本を出していたのが中公新書。岩波新書と並んで、今後も新書の良心として高いレベルを保...
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◇ 辻由美「街のサンドイッチマン 作詞家 宮川哲夫の夢」

辻由美はここ数年でめぐりあって以来楽しく読んでいる。本当にちょうどいいんですよね。読みやすく、テーマも興味深く、だからといってがっつり書き込みすぎることもなく、好奇心を満足させつつ気軽に読める。が、10冊弱あった著作を順番に読み終わり、これ...
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◇ 平山優「武田信虎 覆される「悪逆無道」説」

違うんだ、平山優!……とまではいわんでいいかな。今回は。いや、今回も羅列は激しいよ。前回ほどではないにせよ。最初はまあまあ読めるな、と読み進んでいったところ、途中から羅列の海にいつの間にか落ち込んでいて、「来たか、奴が……」と思った。毎回こ...
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◇ 稲見一良「ダック・コール」

独特の美しさを持つ作品、とあったので読んでみた。たしかに美しかった。だがどうもハードボイルドな匂いがあるので、最後が後味悪く終わるのではないかと恐る恐る読んで、その美しさをしっかり味わえなかった。実際のところはどれもうっすらとした明るさをも...