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< ヒューゴの不思議な発明 >

最初は不思議感満載の(ex.「レモニー・スニケット」?)ファンタジーとして始まるのに、
着地点が映画黎明期の人情話……という竜頭蛇尾な話。

それはないんじゃないの、と思った。
ファンタジーにするならする、メリエスの伝記にするならするで、
どっちかにするべきだったんじゃないの。
半ばまでファンタジーとして見ていて、しかしジョルジュ・メリエスの名前は知らなかったから、
「月世界旅行」がああいう風に使われた時点で、は?と思った。
これほど有名な映画を出して来るのなら、メリエスが創作の人物であることは許されない。
だがメリエスが実在の人物だったら、ファンタジーとしての面白味は丸つぶれ。

そしたら、あれよという間に、忘れられていたメリエスの世間的復活!という人情話になってしまって。
ええ~……何でそんな話。
わざわざこうするかね……。なんでわざわざこうするかね?
そういう話を書きたいなら、そういう話らしく作れ!と言いたい。
話の最初の視点位置が間違っている。素直に見れば、これはヒューゴの話である筈ですよね?
最後にメリエスの話にするんなら、最初からヒューゴとメリエスをバランス良く見せていかないとさ。
ヒューゴの不思議感で釣ろうと思ってるのか?木に竹を接いだような不自然さ。

ファンタジーとしての空気感は良かったよ。
3D映像が見事だという評価もあった。わたしは今回、2Dもいいとこのちっちゃい画面で見たけど。
うん、画はいいんだ。画面は全体的に文句をつけるところはない。
……多分、見せたい画が多すぎて、必要以上にファンタジーに寄っちゃったんだろうな。
気持ちはわかるが……そこらへんはプロのストイック精神で、切るべきは切らないと。
あっちもこっちもと欲張るから、振幅の大きすぎるぼやけた映画になる。

ヒューゴとイザベルは可愛かったけどね。
そして御大クリストファ・リーは一体いつまで現役……

映画人による映画賛歌の映画は概ね映画人に評判が良い。
アカデミー部門何部門だかの受賞だというが……はー、そうかい。って感じ。
プロデューサーの一人はジョニー・デップ。その辺もあるのか、イロイロ。

そしてお約束のツッコミは、「それ発明じゃねーだろ!」です。

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