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フィギュアスケート GPフランス大会 2011 男子シングル。

男子ショート。

一番印象的だったのはアモディオかなあ。
ヤツはほんと踊れるねえ。体のキレがいいわ。
まあ失敗したからねー。点数伸びなかったけど。見入ってしまう演技という意味ではピカ一です。
でも今年は会心の演技はなかったな。残念だ。

リッポンはまあ良かったけど、あまり好きな選手ではないのだ。
パトリック・チャンもそうなのだが、なんか面白味がないっちゅーか……
アメリカ、カナダの、特に男子選手は優等生的で癖がない。
味わいもない。ジョニー・ウィアーは別として。
あとはジェレミー・アボットにしてもロス・マイナーにしてもティモシー・ゲイブルにしても、
ケヴィン・レイノルズにしてもジェフリー・バトルにしても……量産型。
まあ、バトルは顔は好みだったが。
ライザチェクもあまり好きな選手ではなかった。しかし彼の場合はあの身長が個性にはなっていたか。

ブレジナは特に印象なし。相変わらず「鼓童」で踊り、ドラゴンの衣装を着て、
振付もかっこよかったのでまあまあな気はするが。
つーか、パトリック・チャン、点数出過ぎじゃないの?そこまで出る演技だった?

そして、来ましたね、宋楠。ダークホース的に。
どこが、とは言えないんだけどまだ垢抜けない。世界の舞台の経験をもっと積まないと
それは身に着かない部分なんだろう。一番具体的に言えば振付かね。悪くはないのだが。
でも今の宋楠にはそのくらい素朴なプログラムの方が合っているのかもしれないなあ。
しっかりしたジャンプをして。力強い振付で滑って。
ああいう武骨な滑りは好きなのだ。今後、応援するかもしれない。
GPファイナル、決まったんだよね?

男子フリー。

何よりも言いたい。

パトリック・チャン。
――あんな演技で一位になってはいけないのではないか!!金メダルが泣くぜ。
ゴロンゴロン転がり、ヨロヨロしててのフリーの一位ですよ。おかしくない?
あんなにジャンプが決まらなかったのにフリーだけで9点も差がつくなら、
もう実際に演技をする必要がないくらいだ。表現力だけでそこまで得点がつくのであれば、
プログラム提出だけで順位を決めちゃえばいいじゃん。

たしかに2位の宋楠は相手とするには不足ではあったかもしれない。総合力としてはね。
しかし宋楠があれだけ質の高いジャンプをこなして、それでフリーの得点差が9点なんて見ると。
おかしい。全くおかしい。わかる人にしかわからないような部分だけで
順位が決まって行くスポーツのどこが楽しいか。

去年辺りだったか、技の試みに対する得点が上がったのは非常にいいことだと思ったのだが。
浅田真央のように、大技にチャレンジする選手への追い風だと思ったのだが。
むしろ逆に、失敗してもそこそこの点が入ることで、技術としてスケートを滑る(表現ではなく)
単に“器用に上手い”選手が結果的に得をしたようなことになっている。
いいのか、フィギュアスケート界。それで。

見て楽しいのは滲みだすものがあるスケーティングなんだ。心が作る滑り。
パトリック・チャンの演技は全く琴線に触れるものがない。きれいだけども。それだけ。

正直NHK杯の高橋大輔のショートも点数出過ぎだと思いましたけどね。
印象で採点される競技は、常に「イメージ」との戦いだけど、
……そのイメージが一般観客と決定的に乖離した場合、凋落は必至だと思いますよ。
実際楽しくないもの。あんな演技でパトリック・チャンがガッツポーズをする試合なんて。

まあとりあえず、宋楠には今後もがんばって欲しいですね。
今シーズンまで名前を聞いたこともなかったが、中国大会のショートとフリー、
今回のショートとフリーの4回で、メキメキッと音を立てて成長しているような気がした。
GP2回の成長じゃない。あえてショートとフリー分けたくなるほど、
演技一回ごとに長足の進歩を遂げている。ショートより、フリーが繊細になっていた。
彼はファイナルに出られるのか?出られるなら――それがまた楽しみですよ。
早いところ実績を積んで、パトリック・チャンをギャフンと言わせてやってくれ。
……まあ高橋大輔には手加減して欲しいが。

アモディオはジャンプに精彩を欠いたが、やっぱりあの動きは独特ですね。
まあ、真似て真似られるもんじゃない天性のものだけど、北米陣に爪の垢でも呑ませたいです。
次があるなら、いい演技を見たいなあ。見てて楽しいもの。
ブレジナも好きですよ。負けん気な演技。ムキになっているような所がむしろ好印象。
やっぱり表現競技は表現に命が通ってないと。

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