Well-done!な作品。邦画では久々……と思って確認すると、
おいおい、映画館で邦画を見たのって2009年10月の「火天の城」以来か?
えー!そんなに空いたかなあ?
「火天の城」はそんなに感心しなかった。ということは、その前の「おと な り」まで
遡ってしまうわけやね。
いや、かなり良かったと思います。
正直、これほどよく作られているとは思ってなかった。
ストーリーも、台詞も、役者も、ロケ地も。相当考えられてる。
ここまで札幌推しはオオゲサやろ、とも言いたいが、中途半端にやるよりは
ベタなまでにやった方が笑いも取れるし。正解かも。
そう、最終盤までわたしはコメディだと思って見ていました。
そうしたら実は!ハードボイルドだったんですねえ。そうだったか。
でもそれは正しい見方の気がする。これを最初からハードボイルドだぞ、と思っていたら
多分腹立たしいはずだから。
謎解きの部分をもう少し巧く出来たら最高だったかなー。
でも映像作品ではあれが限界か。文章だとミスリードさせるのは比較的簡単だけど、
映像でミスリードすると、単なる嘘になっちゃうからね。
あそこまで引っ張ってくれたんだから満足しよう。
“カトウさん”も巧く使ってくれたし。
大泉洋。「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」の2時間ドラマ以来だが、
この人上手いですよね。ついじっと見てしまう演技をする。
決してかっこよくはないのだが。(声は、外見からは想像出来ないかっこいい声が出せる)
今回相当体張ってたなー。根性あるよなー。見ている間は、映像的にいじっているのでは?
と思っていたが、後でパンフレットを読むと結構な数、アクションをこなしていたらしいです。
役者を雪に埋めるかね、普通……。
スノーモビルのシーンも、いや、これはなんぼなんでもスタント、と思ったが、
本人撮りだって。怪我したらどうすんねんなあ。
松田龍平。この人は「アヒルと鴨のコインロッカー」以来。
その時はふてぶてしさの方が印象に残っている。顔に肉もついてたよねー。
今回の役柄はいい味出してるわ。どうも素に近いらしい。撮影中に寝るなよ……。
だが、本人には大変失礼なことながら、売れる前の向井理でも出来そうな役だと思っていた。
松田龍平の方が線が太いが。太い方が大泉洋とは合うか。
小雪は、顔的にあまり好きな女優ではないのだが……今回の役ははまってましたね。
衣装とカラダに見とれていた。すごく似合ってました。衣装:押田比呂美、GJ!
ウェディングドレスの背中がとてもきれい。
いい役者を揃えましたよ。
最近、田口トモロヲをよく見る気がする。まあたまたまなんだろうけど。
見た感じは実に小心で真面目な人に見えるけど、狂気をはらんだ役柄とかがすごく上手そう。
でもそれが見たいかというと、コワそうなので特に見たくない。
松重豊もたまに見るけど、好きだなあ。こういう味のあるヤクザがすごく合う。
職人さんとかね。シリアスな役も出来るし。
ほんと、総じて皆がハマっていた。いいキャスティングにお礼を言いたい。
唯一、石橋蓮司だけは、ここんとこコミカルな役ばかり見ていたので、
ちょっと微妙な気がした。「マジック・アワー」の時の西田敏行と同じで、
コミカルな映画の中のシリアスな役どころを演じる、コミカルな味のついた役者、というのは難しいよ。
あ!忘れちゃいけない、高島政伸が良かった!!
好きな役者かっていうとそうでもないのだが、いい役者です。何でも出来て上手い。
唯一、薄味な役どころはできなさそうだけど。
せっかくなので、何にでも出るようにはならないで欲しい。見飽きてしまうから。
まあ、文句があるとしたら、わたしの好みよりはだいぶ血の量が多かったことかな……
見ていてちょっとツライものがあった。特に田口家の人々がツラかった。イタイ。
あそこと西田敏行のところは現状比50パーセントくらいにしておいて欲しかった。
制作側はシリーズ化を狙っているそうだ。
やってください!わたしは推す。
そして最後にちょっとだけネタバレ……になってしまうかもしれないので、
未視聴の人は、以下は読まないで下さい。
あ、そういえば、パンフレットも、ある人のインタビュー記事がほぼネタバレになっているので
事前には読まない方がいいです。
このパンフレットもなかなか面白い作り。バーマッチのスタイルになってるの。
よく作ってある映画だ、という実例を一点。
霧島が死んだ場所に捧げた沙織の花は白いフリージア一輪。
時計と一緒に入っていたカードのデザインもフリージア。
そしてフリージアの花言葉は純潔。
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