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◇ ヒルトン「チップス先生、さようなら」

ああああ、しまった。失敗したー………………。

小説――物語というものはですね。タイミングというか、鮮度が大事でね。
切ってはいけないところで切ってしまうと、それはもうものすごく価値が下がってしまうのだー。

108ページの小説の。96ページまで読んだところで時間が来てしまい。
(ディーラーでタイヤ交換をしてもらっていたの)
そこで一旦中断し、その日の夜にまた読み始めたら……。

こういう展開かい!!こういう展開になるのなら……
うわー、考え得る最悪のタイミングで中断してしまったーっ!!

チップス先生さようなら (新潮文庫)
ヒルトン
新潮社
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ああ、勿体ない……
これ、最後までちゃんと読めてたら、とても幸せになれただろうに。
中断しなければならないのなら、せめてもっと前半だったらそれほど問題はなかっただろうに。
はー……。不覚。不運であった。

※※※※※※※※※※※※

とても有名な作品だが、読んだのは初。
わたしは、もう少し低年齢層向けだと思っていたんだよね。多分「ドリトル先生」と
イメージが被っていたんだと思われる。

特に何という話ではないんだけど。
しかし手に馴染んで温かい、鈍く輝く金色の古い懐中時計のような。
瑕の一つ一つの歴史も覚えているような、そんな古き良き友。
滋味。たっぷりと豊かな、わたしが愛する英国の(古き良き)滋味を
美味しく味わえる、幸せな物語でした。

……こういう話は、欲を言えば作者の善良さだけで書いて欲しいところなのだが、
解説を読むとそういうわけでもないらしい。
まあそれはそれで。そういうもんだろう。人間は多面体ですから。

すみません、最近どうも頻繁なので気がひけるのだが、こういう本を読むと
どうしても薦めたくなる本がある。

滋味、という点ではこの本もなかなか。大好き。

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