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◇ アラン・ベネット「やんごとなき読者」

タイトルの「やんごとなき」とは英国女王エリザベス二世のこと。

小説なんですけれども。小説にしてはえらく淡々としている。起承転結とかほとんどない感じ。
本をあまり読んでこなかったエリザベス二世が、70代後半にして読書の魅力にどっぷりとはまり、
それによって周囲の顰蹙を買いながら、最終的には……という話。

エリザベス女王をキャラクターにして物を書くのは、王室ファンというかフリークというか、
そういう人だと思っていた。その仮定で読み始めたが、意外にそういう部分は地味。
これはむしろ、キャラクターとしてエリザベス二世を持ってきてはいるけど、
人はいかにして読書好きになるかの観察記録というか……。
ま、記録というにはユルい内容ですけどね。
もうちっと山と谷があるストーリーが欲しかったかなー。

現代英文学についての知識があった方が楽しい本ではあるだろうが、
そこまで一般的な日本人に期待して翻訳しているわけでもなかろうから、
ま、普通に読んで地味ながら面白い。という本。
あんまりワッとした面白さを期待してはあかん。

やんごとなき読者
やんごとなき読者

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やはり本好きが読むべき本ですね。内容はさくさく。

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