久々の映画館~。
どのくらい久々かというと、……やばい。去年5月の「アリス・イン・ワンダーランド」以来だ。
その後10月くらいに「13人の刺客」を見に行ったんだけど、あまりに無軌道な
残虐シーンの連続に途中で出て来た。
年に2回では、映画好きとも言えんわなー。
あ、いやいや、年に2回ではない。その前の1月から4月は月1回平均で見てるんだ。
この映画は「さあ、来い!!」と待ちかまえていた映画。
デップだし。舞台はヴェネツィアだし。冒険ありのロマンティックコメディ(だろう)し。
これでダメダメだったら、もう映画に何を期待していいかわかりませんよ。
そして、期待通りに面白かったのでした。
いや、そりゃね。ストーリーの部分はだいぶ……ツッコミが。
でも赦す。この映画はストーリーの部分を犠牲にしても、見て楽しいことを追求したんだろう。
それには成功しているから、だから赦す。
何しろ目に楽しい!
美男美女。(しかし今回のデップはちと太めで、あんまりかっこ良くはない)
およーふくがお美しい。
パリの町も、ヴェネツィアの町も、セットも美しい。
十分。アリガタイ。わたしはこういう目に楽しい映画が好きなんだ。
実は、初アンジェリーナ・ジョリー。
わたしの好みよりは目と口がでかすぎますが、あれは化粧でもうちょっと何とかならんかったか。
まあ十分ゴージャスで説得力あったんだけどさ。わたしが男だったらホイホイついて行きますよ。
見とれる。
脇の男優陣も好きでした。
ポール・ベタニーは「ダ・ヴィンチ・コード」で大変印象的だった人。
あの時は若手だと思っていたのだが、けっこう歳いってますな。あの時点でも30代半ばですか。
今回の役柄もうっすらとにじみ出る偏執性が作品に厚みをつけた。
ティモシー・ダールトン。
あんまりちゃんと作品は見たことないのだが、笑顔がラブリーで良かった。
今回は役柄的にちょっと美味しいかな?
ルーファス・シーウェル。多分「ホリデイ」では見たのだが、役を忘れてしまった。
印象は良くて、かっこいいと思う俳優さんだ。
ツッコミ以外で言いたいことは3つ。
適当に風景を切り貼りするのをやめてくれ。
世界が狭くなった昨今、有名な観光地だと行ったこともある人も多いんだからさー。
サンタルチア駅の対面の風景にドージェ宮が映ってちゃあかんやろ。
「あれ?今駅にいたのになぜここにいるの?」と頭が混乱する。
もっとマイナーな風景ならわかるけど、なぜ彼らは得々としてサンマルコ広場をあちこちに
適当にばらまくのか……。数年前の「ヴェニスの商人」でも変なところにドージェ宮が出てたぞ!
ホテル・ダニエリからあんな位置関係でリアルト橋が見えるか!
ボートチェイスが思っていたほど良くなかった。
やっぱりスピード感が足りなかったかなー。わたしは別にチェイス好きでもないので、
それ自体無くてもかまわないんだけど、せっかくボートチェイスをすると決めたのなら
もう少しスピード感が欲しい。
やっぱりボートでボートをひっぱる設定は無理があった。シンプルに1艘のボートで逃げて、
それを陸で追いかけるという方がスピードは出たと思う。
それから、大運河をボートで尾行するのは無理がある……。ばればれやんか。
実際の航行状況より船の数がだいぶ少なくなかったですかい?
そして、中盤。アレがアレだというのはやられた!と思ったけど、そうなるとやっぱり
アレがアレじゃないと納まりがつかないよなー。
この部分、どうにかならなかったかね。どうにもならなかったら、むしろ中盤のアレを
無くしても良かったと思うよ。せっかくなのに勿体なかった。
まあでも、素直に楽しませてくれた、大変アリガタイ映画でした。
あ!そうそう!
パンフレットでは、デップの白いタキシードにうっとり、とか書かれているけど、
あれはその着こなしの不格好さを笑う部分じゃないの?
だってどう見たってどっかのアルバイトのウェイターじゃないですか!
わたしは素で「ああ、これからウェイターに変装してパーティにもぐりこむんだな」と思いましたよ。
ずいぶんアメリカ人がくさされている。
いいのか(^_^;)?彼らはそれで。
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