ものすごく久しぶりに「見るぞ!」と楽しみにしていた大河ドラマ。
前回がいつだったかというと「炎立つ」まで遡る。(そして「炎立つ」はけっこう初期で投げた。)
だからと言って別に感想を書こうとは、当初は思っていなかったのだが、
鈴木保奈美の熱演についつい筆を(キーボードを)取った次第。
いやー、鈴木保奈美、良かったですねえ!!
すごく驚いた。ドラマをほとんど見ないわたしは、鈴木保奈美をじっくり見たのは
多分今回が初めてなんだけれども、ちゃんと女優でした。
あんまり好きな顔ではないので個人的にはあまりプラスイメージはなかったが……
今回で自分評価うなぎ昇り。これはええもん見せてもらいました。見事な復帰だ。
わたしの嫌いな白眼上目使いは健在なんだけれども(^_^;)、
それを補ってあまりある表情の良さ。美しかった。見とれてしまった。
この回は鈴木保奈美の一人勝ち。だいぶいい舞台を用意してもらったということもあるが、
これもその舞台をしょって立つ力がなければどうもなりませんからね。
撮り方も、これでもか、というアップばっかり。でもこれはしょーがないよなー。
わたしが撮影監督でも寄りたくなるもの。
まあ予告編を見る限り、他の人も寄りばっかりで撮っているのかもしれないが……
寄りは観客が感情移入しやすいんだろうね。もちろんそれなりの表情が出来る俳優限定だが。
しかし、……脚本にはだいぶ不安が残る。
「篤姫」も人気があったし、NHKとしては二匹目のドジョウを自信満々で狙っていると思われるが、
……原作がないことがどう出るかねえ。
今回びっくりしたこと二つ。
小豆袋を完全否定。
長政の男児を完全無視。
いやー、これはちょっと力技過ぎ……。この程度は許容範囲という人は多いだろうが、
歴史ものを書くのなら、このくらいはがんばって取り入れて欲しいものだなあ。
多分田渕久美子は歴史が好きではないよ。少なくとも得意ではない。
「篤姫」ではそこが吉と出て、新鮮な味わいになったのかもしれない。
だが「篤姫」は原作があったからねえ。その基本があったからこそいい感じに崩せたのではないか。
今回は原作・脚本が田渕久美子らしい。さあ、ここがどう出るかですよ。
小豆袋を中途半端に取り入れたことで、変な話になっちゃってるんだよね。
「長政の妻」にさせたいのなら、むしろ小豆袋全く関係なく話を作った方が絶対すっきりしたと思う。
わざわざ著名なエピソードを持って来て否定しなくても……
だいたい左時枝が小豆袋を捧げ持って来る段階で「は?」ですよ。
これは最初から使わない方が良かった。
男児の方は……ここまで行くと、その蛮勇にむしろ感心させられるのだが。
ある意味いさぎよいです。たしかに話としては三姉妹さえいればいいんだからね。
しかし歴史物を書くにあたって、最低限の礼儀というものも必要な気がする。
歴史に愛着のない人が、ひょいひょいと面白可笑しく話を作って行くと、いつかしっぺ返しが……
(歴史上の)篤姫にはそれほど多数の歴史ファンはいないだろうけど、
戦国にはうるさいくらいのマニアが大勢いますよー。
「篤姫」では赦された変更も、戦国が舞台となるとどうかねえ。
まあ世の中の大勢を決めるのはマニアではないが。……か?
あと脚本的に「やりすぎやん」と思ったのは、茶々のエピソードだな。
子役はたしかに末恐ろしいほど上手かった。しかしその子役の上手さによっかかって
年齢不相応のエピソードを入れちゃあかんがな。
6、7歳であの行動は無理すぎるやろー。白けますわー。
茶々と初が1歳違いで、それを宮沢りえと水川あさみがやるのはちょいツライですな。
冒頭のエピソードからして姉妹の年齢差がもうごちゃごちゃですからねー。
でもそこまでを求めたらキャスティングが難しすぎるしなー。
いや、ここは責めるまい。今回三姉妹の女優の顔ぶれが気に入ったからこそ
見る気になったんだからさ。
さて、果たして最後まで視聴できるか?1年間の長丁場。よほど面白くないと飽きる。
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