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わたしは、好きでいられるのだろうか。

もう、気持ちが離れている気がする。
もし今でも愛していたら、もっと怒るし文句を言っている。激烈に反応している。
愛の反対は無関心だ。もう、関心を抱けなくなっているのかもしれない。
――イーグルスに。

渡辺直人選手の移籍にまつわる記事を、数日前にようやくちゃんと読みました。
それは、まともに向き合うことを避けたかった気持ちとともに、
「ほら見ろ、やっぱりこうなるんじゃないか」という苦い諦めの気持ちがあったことによる。

岩村も松井カズオも、正直言ってそれほど来て欲しい人ではなかった。
岩村はねー……元スワですが、嫌いってわけではないけど、当時からなんとなく愛着が持てない
選手だったんだよね。本人にとっては多少気の毒かもしれないが、スワのカラーには
あまり合わない人だった。彼はむしろメジャーに行って良かったと思っていた。
良くも悪くもお友達体質のスワで、本人は居心地の悪い思いをしていたかもしれないからね。

松井カズオに対してはプラスもマイナスもなく、全くのニュートラル。
日本での全盛期は、いい選手だ、という認識はあったけれども、今は年齢も重ねて、
当時のパフォーマンスには及ばないに違いない。
そういう選手のネームバリューに、高須や渡辺直人の出場機会が奪われるんだろうな、
と考えると、……まあ、若干マイナス。

でも新しく来る人を、新しいだけで嫌っていてはあまりに狭量なので、それはそれで
受け入れようと思っていた。星野監督が大好きな「目立つ」選手ってだけかもしれないけど、
もしかしたら活躍してくれるかもしれないし。
……ぽっと来て、派手好きの監督に重用され、それで活躍してもほんとは嬉しくないんだけどね。
でもそういうのはココロの狭さ以外の何物でもないから。
それについては何も言うまい。

でも。
直人を出すとは。
一体何を考えているのか。

一体何を考えているのか、という言葉を、楽天球団には果たしてどのくらい言っただろう。
彼らはほんとに……迷走しているとしか思えないよ。目をつぶったまま走っている。
つまり言いかえれば行き当たりばったり。
信念もビジョンも何もなく、お互いの顔色を見つつ、自分の立場が脅かされないように、
自分が損をしないように、上手く立ちまわることだけを考えて球団経営してる。
野球のことも球団のことも何も考えてない。考えていることと言えば自分の評価だけ。
そういう態度だから、ファンの神経を逆なですることばかりをやり続けていられるんだよ。
せめて誰か一人でも、トップのなかに野球と球団のことを大局に立って考える人がいれば
多少は変わるだろうに。

誰が考えても、直人はイーグルスに必要な選手でしょう。
最終的にチームを支えてくれるのは、ああいう愚直な、一本気な人間なんだよ。

殊勲打を打ってお立ち台に上がることは、相対的には簡単なこと。
調子がいい時、イケイケの時には誰でも光れるんだ。
でも本当に難しいのは、チームが俯いている時にもくさらず、変わらず仕事をし続けること。
それが出来るのは、(おそらく星野監督の眼中にはないような)今までチームを支えて来た、
地味な選手たちなんだよ。

球団のトップたちよ、あんたらだってCSでヒットを打った時の直人の喜びようを見ただろう。
その時、球場で、テレビの前で、一緒に「やった!」と叫んだファンは、あの笑顔を一生忘れないよ。
その記憶は、選手とファンの共有財産。その財産を増やしていくことが球団経営の基本であるのに、
連中ときたら……。
連中はあの直人の笑顔を見てないんだろうね。試合を見ずに社長の顔色を見てるんだろうね。
そうでなかったらあの財産をこんなにあっさりと手放すなんてありえない。
金の卵を産む鶏を殺してしまったようなものだ。阿呆だ。阿呆すぎる。

来季、わたしはイーグルスを応援出来るのだろうか。自信がない。
球場に見に行っている自分の姿が思い描けない。
スカパー契約もどうしよう。今の気分では見る気にならない気がする。
もう今から、早く別な監督を連れて来て欲しい気持ちでいっぱい。

でも渡辺選手は言ったんだよね。
「横浜でも一所懸命がんばって、またイーグルスに呼んでもらえるような選手になる」と。
……この言い方は、横浜側にはやっぱり失礼だろう。
だが、今の今だから、赦してやってくれ、横浜ファンよ。

――そうか。直人が戻って来ることが出来るように、チームを生き残らせなきゃならないのか。
ただでさえ親会社が、ちょっと風向きが変わったらあっさり球団を売っぱらおうという
姿勢が見え見えの会社なので、ほんとその頃まで生き残れるか、冗談ごとではありません。
それを考えると、……応援せなあかんのかねえ。

あああ、去年は良かったなああああああああ……
野村監督の頃のチームは楽しかった。
弱っちいのが力を合わせ、1+1が2以上になっていく、その喜びが感じられた。
ほんと、幸せなあの頃に戻りたいよ……

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