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NHK杯2010。

女子ショートプログラム。

とにかく村上佳菜子。でしょうね、今回のショートは。
それほど応援したい選手じゃなかったのに、あの笑顔にヤラレた。
胸を突かれるというか……泣けて来た。幼気で。
曲と振付も合ってたしね。何より滑りは達者だよ。同時代の浅田真央よりもこなれてるのでは。
が、彼女も3年も経つと悩み多き年頃になるんだろうな。
そこを乗り越えてこそ本物のアスリートになるんだろうとわたしは思っているけれど。

浅田真央は……痛々しい。
やはり燃え尽きちゃったのかなあ、という気がしないでもない。
今まで人生の全てをスケートに費やして来たようなもんじゃない?彼女は。
ある所まではその努力が報われてた。順調すぎるほど順調だった。
しかし高いレベルまで行くと、それまでと同じようには進歩が見えない。壁が立ちふさがる。
でももう彼女の立場では、その壁を前にひとやすみすることも出来なくて。

そうだとしたら可哀そうだな。
しばらくスケートから離れてみるというのも選択肢の一つだと思うよ。
どうせ――どうせというのも変だけど、スケートが身にしみついている人は、
結局はそこに戻りたくなるもんなんだから。一旦のリセットが有効だろう。
でも彼女は真面目で負けん気が強くて忍耐強くて、挫折と見られるようなリセットが
出来ないくらいにおそらく強くてプライドが高い。立場も立場だし。

そうなるともう、切れてしまいそうな気持ちを自転車操業的に立て直していくしかないんだよね。
それは大変難しいことだと思うが。彼女はそれをやろうとしているのだろうか。

ゲデバニシビリの髪が金髪になって、あんまり可愛くなくなった。
今回のアシュリー・ワグナーがけっこういい感じだと思った。

女子ショートプログラムは以上。

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男子ショートプログラム。

ヒイキの無良くんがNHK杯に出て来てくれたのは嬉しかったのだが。
初っ端4回転を決めた時には「おおっ!」と思ったのだが。
でも彼がジャンプを失敗しているようじゃ上には行けないんだ。
彼の武器はジャンプなんだから。彼もトータルでだいぶ上げて来たとは思ったけど、
他の要素は優れた他人と競えるほど突出しているとは思えない。
ただジャンプは。他人と競っていけるレベルなんだから。ここを活かさないと勝てない。

ユズルが見事な演技。色々下手な部分もあるけど、15歳でこれだけ滑れるってのは凄い。
技術的なこともそうだけど、こいつは強くなる、と思わせるものがすでに備わっている。
スピンが失速したり、全体の滑りが遅かったりもあったけど、その辺は筋トレして何とかせい。
先が楽しみだね。

橋大輔。ヤツは別格ですよ、この顔ぶれでは。
エキシビみたいに気楽な顔で滑ってたよ。それも含めて演技ならば、
どれだけエンターテイナーなんだよ、って言いたいよ。
GPシリーズの初っ端だっていうのに、ずいぶんまとめて来たねえ。ベテランの強さというべきか。
楽しいプログラムだった。

ただし、彼に対する、観客の中の萌え女子の歓声はキモチワルイ。
スケーターに対する歓声じゃないんだもの。単なるアイドルの決めポーズに反応しているだけ。
ちょっと色っぽい顔をしてキャーキャー言われることが、彼の演技にとって良いこととは思えない。

よしよし、デニス・テンは順調に来てますね、っていうのと
初めて見たけどフローラン・アモディオというのがなかなか凄いというのがまず2点。
アモディオはバネがありますなー。曲と衣装が雰囲気に合ってた。

だが、今回一番印象に残ったのがジェレミー・アボットだ。
ものすごくびっくりした。この人、あまり好きなスケーターじゃなかった。
……まあ主に顔のせいかもしれんが(^_^;)、滑りもつまらんと思っていた。

今回、がっつりイメチェンしましたねえ!!大成功じゃないですか?
衣装を見て「ファントムだろう!」と思ったのは外しましたが、いや、ほんとに。
見ていて「ジェレミー・アボットに最適のプログラムかどうかは保留だが、プログラムとしては
相当面白い」と思った。で、その相当面白いプログラムをアボットが上手く踊っていた。
普通、振付にしても衣装にしても曲にしても、まずスケーターありきだろうと思っていたが、
これは曲と振付と衣装部分をまずがっちり組みあげちゃって、
そこにアボットがぴたりとはまり込んだという印象が強い。
佐藤有香さんががんばっているのかな。

ふふふ。明日が楽しみである。

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