惜しい……。
道具立ては非常に好みなのだが。
まさにこういった話が、自分が読みたいものだと言っても過言ではないのだが。
(ここまで言えるのは、そりゃもう珍しいことなのだ、わたしには。)
文章がもう少し上質であれば……
別に文章が下手なわけではないんだけど。
あまりにも“普通”の文章であることが問題。
背伸びをしていない、素直な文章なので嫌味はない。そういう意味ではいい文章なのかもしれないが、
なんつーのかねー、せっかくこういう話なら、もっと巧い文章で読みたい。
精度の高い文章というか。
この道具立てで、山尾悠子や澁澤龍彦あたりが書いてくれたら大好きになっただろうなあ。
……彼らがこんな可愛い話を書いてくれるとはあんまり思えないけど。
あ、もうちょっと現実的に梨木香歩でもいい。
でも彼女も可愛い話はそれほど書かないだろうなあ。
この作者に対しては多大な共感を持ったが、作品には残念感がつきまとう。
ああ、このやるせなさをどうしてくれよう。
ささやかな魔法の物語―カフェ・かもめ亭 (ポプラの木かげ)
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村山 早紀
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翼がないというのは残酷なことだ。
翼を持つ鳥は生まれながらに飛び方を知っているのに、
翼を持たない人間は、飛べるようになるまでとても遠い道のりを辿らなければならない。
でも鳥も、きっと最初に飛ぼうとする時は怖いんだよね。
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