ううう。つまんなかった。
基本的にはデップに外れなし、だと思っているのだが……。
でも数えてみると、わたしはデップ作品、それほど制覇しているわけではなかった。
テレビ視聴も含めて13作品。そのうちいまいちと思ったのは今作含めて4作だから、
思っているより外れも多いわけやね。
後半はもう、死にそうに退屈。眠ろうにも銃の音がうるさくて眠れもせんしねえ。
これはさー、撃ち合い好きにだけ向く映画じゃない?
男の友情部分はわりと描いているし、ビリーとの恋愛関係でいいところもあるけれど、
基本的には、脱獄→銀行強盗→撃ち合い→捕物→逮捕、以下ループって感じだもの。
こんなに機関銃バンバン打たせる(これがまた長い……)映画を作る監督って、
欲求不満なのか?と思った。
全く何を考えてこういう殺伐とした映画を作るのか、と腹をたてていたんだけど、
しばらくじーっと考えて、あ、そうか。と思う。
これって任侠映画だったんですな。というか、より普通にギャング映画だ。
わたしの眼中にないジャンルなので気付かなかったが、こういう撃ち合い&男の友情というのは、
ギャング映画とか西部劇?の王道でしょう。ジャンルとして確立している以上、
それを求める層もいるわけで。(現代社会での総数的には疑問符がつくが。)
そうか。そう思えばそれほど変なことをしている監督でもないな。
しかしなー。そういう映画なら、主役がデップじゃなくてもいい気がするよなー。
たとえていえば、「仁義なき戦い」の主役に、えーとえーとえーと、堤真一を持ってくるような。
いや、堤真一じゃなく。もう少し女性人気もあって、役者としても達者な……
あ、もう少し前の(ポピュラーだった頃の)オダギリジョーを持ってくるようなもんだと思う。
オダギリジョーは任侠映画でも、本人がその気になればわりと達者にこなすだろうけど、
別に彼じゃなくてもいい気が……。
作る方としてはいい役者という意味で(プラス興行的な意味でも)デップを使いたいのはわかるが。
デップはデリンジャー好きらしいので、まあこの映画のオファーは受けるだろうし。
しかしそのキャスティングと、映画の内容紹介で「ラブストーリー」と書かれれば、
間違って見に行ってしまう、わたしのような普通のデップ好きもいるわけで。
これはミスリードだろう。ここらへんが気に食わないなー。全然逃亡劇の部分は足りないし。
デップもおっさん化したなあと思い、しかし彼の場合は役柄的にそうしているんだろうと
思えるのに対して、クリスチャン・ベイルは劣化したのではないか、と心配になるのはどうしてか。
クリスチャン・ベイルのファーストシーンは、なんだかみすぼらしかった気がする。
フーヴァー長官の役者が、ものすごくメリハリのきいた英語を話しているせいか、
ベイルの英語と声がしょぼくて。声があんまり良くないのかなあ、クリスチャン・ベイル。
「バットマン」でかっこ良かったので好きだったのだが。スーツが似合うよねー。
マリオン・コティヤール。
宣伝写真&宣伝映像では、顔の小じわを消してないか!?
初めて見た女優さんだったが、写真だけ見てると20代半ばくらいの小娘に見えたぞ!
映画の中での方が魅力的だった。
ただ、デップはたしかにかっこよかったけれど、一緒に過ごした時間がほんのちょっぴりしか
描かれてないので、そこまで強烈に結びつき、警察の拷問にも耐える「彼の女」になるのは
納得出来なかった。
納得出来ないと言えば、ベイルの有能さの描き方が足りないので、
すぐ尻尾を巻いてしまった負け犬に見えてしまった。
フーヴァーに電話で泣き事を言うシーンは、もっとずっと後に持ってくるべきだったと思う。
けっこう前半部、デリンジャーにたった一度してやられたくらいのタイミングだったから、
「もうギブアップかい?」と情けなく思った。
あとは、映像が辛かった……。
小さいハコの中くらいの席で見たのだが、映像が揺れまくるので酔った。
あとは登場人物がおっさんばっかりで、しかもアップを多用するので、
おっさんの毛穴ばっかりを見ている気分になった。
いくらデップとベイルがかっこ良くても、毛穴を見ているのはあまり楽しくない。
以上。クレジットが始まった途端席を立って帰ってきた。
本来ならばパンフレットも買わない出来なんだけど、珍しく見る前に買ってしまっていたので
あとの祭り。ま、主役3人の写真がかっこいいからいいか。
今後のデップは「バルナサス」と「アリス」とで目白押し。
アリスは、特にこれはもう自家薬籠中のものだろうなあ。
しかしおそらくティム・バートン的狂気の世界になるだろうから、まあ好きか嫌いか微妙だが……
それから映画でシャーロック・ホームズをやるようですね。
これも楽しみー♪今年の春は、久々に映画が豊作かも。
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