ヨンデモ本。
ファンタジー、というには少々現代文学臭がないでもないが、
これだけユーモラスに語ってくれるとね。思わず、うふふ、と笑うよね。
宇宙創成ユーモア・ファンタジー。
固有名詞の数学用語っぽさに、完全文系のわたしは多少引くが、
でもまあ他にどないせーっちゅうねん、というところだしね。
(しかし固有名詞は難しかっただろうなあ。作者的にも訳者的にも。
作者がこういう類を固有名詞として選んだことは、ま、妥当というか、
利口な選択だったと思う。そして、訳者がカタカナに訳さなかったことは慶賀すべきことだ。
……訳せなかっただろうけど。)
整合性とか、起承転結のあるストーリーを期待してはいかん。
壮大なホラ話を楽しむ……いや、作品世界で主人公のQfwfqじいさんが
ほら吹きだということではなく、フィクションのフィクションたる所以、
空想性を楽しむ作品だなと。まあ短編だしね。適度に(いい意味で)読み流して吉。
レ・コスミコミケ ハヤカワepi文庫
posted with amazlet at 09.12.17
イタロ・カルヴィーノ
早川書房
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あー。しかし残念だ。貼ったのは新しい文庫の奴だが、
わたしは元のハヤカワ文庫で読んで、表紙の絵がすごくいいと思ったんだよねー。
この絵の可愛さで、現代文学臭をだいぶ消した感がある。
じいさんのイメージとして、これを思い浮かべていたから面白かったというのもあるし。
装丁は大事ですね。ぜひハヤカワ文庫の表紙で見せたかった。
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