PR

◇ 富士川義之「きまぐれな読書 現代イギリス文学の魅力」

ヨンデモ本。

これも池澤推薦。たしか惹句が「ゆっくりと読んで本当に楽しい」じゃなかったかな。
そう思います。そういう本です。――だが返却期限が迫っているので、少々駆け足気味。

著者の温厚な人柄が感じられる。イギリス紳士的な。
暖炉と紅茶と、ヴィクトリアンな書斎の風景が目に浮かぶ。
うーむ、イギリスびいきのゆえにちょっと思い入れが強すぎるかな。

副題の「現代イギリス文学」については何一つ知らないわたしだが、
その程度で読んでも楽しめる。そんなに単純なことを書いているのでもなく、
そんなに小難しいことを書いているのではなく。まさに中庸の美徳。
衒いのない文章。信頼できる。いいなあ。……いかにも学者らしく、地味だけども。

この本を読んで、食指が動いた本が何冊かあった。野口米次郎とか、フォースターとか
西脇順三郎とか。あまり課題図書リストが増えるのも痛しかゆしだが。

この人の本は、今後も何冊か読んでみる。
「ナボコフ万華鏡」などのブンガクはちょっと歯が立たなそうだから、少し柔らかめのものを。

きまぐれな読書―現代イギリス文学の魅力 (大人の本棚)
富士川 義之
みすず書房
売り上げランキング: 500923

コメント