面白かった!久々にスカッと面白かった映画だった。
おかしくておかしくて笑った。泣いた。いい仕事でした、スタッフ&キャストの皆さん。
ミュージカルは好きなのだが、わたしの好みは「レ・ミゼラブル」とか
「ファントム・オブ・ジ・オペラ」のコスチューム物。
「マンマ・ミーア!」もミュージカル作品としては古典の部類だろうが、
現代劇ということで、舞台を見たことはなかった。
加えて洋楽も、わたしにとっては非常に疎い分野。
どのくらい疎いかというと、えー、たとえばマドンナの顔を知らない。ビヨンセもわからない。
かろうじてマライア・キャリーの顔はわかると思う。セリーヌ・ディオンはわかる。
問題のABBAも、「ABBAというスウェーデンのグループがある」ということと、
彼らの曲で「マニマニマニ~♪」があるということのみ。ヴィジュアルも知らなかった。
「ダンシング・クイーン」は聞けばわかる曲だったが、ABBAだということを知らなかった。
……洋楽好きは「有り得ない!」と思うかもしれないけれど、そんなレベルの人もいます。
なので、この映画、最初は見に行かないつもりだったんだよなー。
でも、3月末までのタダ券があったので……。カミングスーン作品をチェックしても、
3月末までの間に見たい映画が他にありそうにない。妥協の結果としてこの作品。
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すごく面白かった!
やっぱり期待をしないで見るのがコツなのかね?
娘の方の再会シーンからしてあっという間に引き込まれた。
娘3人組は、結局はあまり活躍しませんでしたが。でもあれを最初にやっているから
母3人組の再会シーンがよりステキなんだよねー。
ドナがオーバーオールでポーズを決めた姿、他の2人が桟橋の反対側でやはりポーズを決めている姿、
もうこの時点で泣けるほどかっこいい。
メリル・ストリープが素晴らしい。全部素晴らしい。
娘3人組が民宿に着いて出迎えるシーンの最後「ん?」という表情がとってもキュート。
「ウィナー」の歌は歌の表現力として素晴らしかった。
ベッドの開脚ジャンプも素晴らしかった。
わたしはメリル・ストリープの作品をほとんど見ていない。
彼女が出る映画の傾向は、わたしが見たいと思う映画から外れてるんだよね。
唯一見たのは「レモニー・スニケット~」のみ。でもあの映画では脇役もいいところだからな。
この役がほぼ初で出会ったのは幸運だったと思う。非常にいいイメージを抱いた。
娘も良かった。声が可愛くて。
顔的には少しサカナ君が入っている感じがするが……。表情がいいねえ。生き生きしてて。
メリル・ストリープとは親子に見えたし。水着になると胸がでかくてびびった(^_^;)。
母友2人も良かったなー。
そうですか、ロージー、ロン母ですか!全くわからなかった。
ターニャは、……出来ればもう少し美人を持ってきて欲しかった気もするが
(やっぱり息子ほどの年齢の男の子に本気で惚れられるには無理があった……)
3人の雰囲気は最高だ。「チキチータ」は泣けるよ。
オヤジ3人はねー。
いいバランスで顔ぶれを揃えた感じ。コリン・ファース、いつもいい立ち位置というか、
微妙な立ち位置であちこち出てますね。(「真珠の耳飾りの少女」の演技からすれば、
もう少し優遇されてもいい気がするが)
ブロスナンは、最初と最後はいいけど、出来れば不精ひげの白髪はアップにしないで欲しかった。
この人、何かの作品を一本しっかり見た気がしてたけど、わたしは007シリーズ見たことないしな。
CMのイメージが残っているんだろうか。
スカルスガルドという人は初だが、やはりスウェーデン人ということで、
ポピュラーな英人、米人の俳優とは何がなしニュアンスが違うのかね。
微妙な表情がポイントポイントで良い意味での違和感として胸に残る。
正直、ストーリー自体は後半に行くに従って相当無理になります……。
ラスト近くなんか、「ええっ!なんで!」という展開になるし。思わず叫ぶ。
いや、母がああなるのはお約束でアリとして、娘、ソレはないだろう。なぜそうなる。
別にいいじゃん、そうなったってさー。そうなったからって出来ないことじゃなし。
不自然だ。しかもラストシーンはなぜ月夜の桟橋……。
何より、やっぱり母3人とオヤジ3人の役者の年齢は高すぎる。
娘がそんなに若くして結婚するなら、親世代は高くても40代半ばくらいまでには
見えなきゃならないが――そうでないと「若気の至り」と言えない――みんな50代半ば以降
だったもんねえ。
でもここはがんばって目をつぶろう。40才前後の、まだ変に若いような役者を使うより、
人生の終わりがちらちら見えてきた、美男美女とも言えない彼らの方が、
映画としての味わいは絶対上だったと思うもの。
色々な要素が、足し算ではなく掛算として働いたような結果を生んでいたな。
漂うテキトー感さえもプラスに働いていた。ブロスナンの歌なんて、これはもう相当に
うへーという感じなんですけどね。それはそれでお笑いのポイントになっていたし。
本人たちにお祭り感がなければあんなエンド・クレジットも作れませんよ。
ああいうおまけは大好きだ。
島の風景もきれいだったねー。
……なんだか泣けて仕方がなかった。
「ダンシング・クイーン」の群舞の時はまあ、百歩譲ってわかるとして、
なんで「レイ・オール・ユア・ラヴ・オン・ミー」の男どもの群舞で泣かなきゃならんのだ?
我ながらさっぱりわからない。
でも私はミュージカルを見ると話に関わらず泣けるんだよなー。
「キャッツ」の序曲で泣ける。なんでだ。
スカッとすることの少ない日常生活で、久々にスカッと出来たよ。
こういう映画(ばかりだとそれはそれで困るけど)、時々は見られると嬉しいなあ。お薦め。
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