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< 相棒 劇場版 絶体絶命42.195km 東京ビックシティマラソン >(機中視聴)

ドラマ由来の劇場版としては、なかなか詰まっていて面白かったと思う。
……どうもドラマ全般に偏見があるために、いやみな言い方になってしまうな。

相棒のドラマが面白いというのは小耳に挟んでいたが、しかし今さら見始めるのも億劫。
まあそれでも、ってことで一本だけドラマを再放送で見たことがあるんだけど、
面白いと言われるのはわかる、という感想は持ちつつ、もっと見たいとまでは思わず。
でもちょっと気になっているという相当に微妙な位置。
劇場版、今回こういう形で見られて丁度良かった。

暗号解読部分が面白かったな。
まあ実写ドラマとしては、この暗号の作りはぎりぎりではあるけれども。
小説なら、あるいはアニメなら、もっと細かい暗号でも可だと思うが、
実写だと「……ねーよ」と言いたくなる限界線。実写はどうしても現実を引きずりますから。
でももちろん某アニメのようなすかすかの暗号よりもずっといいですよ。

水谷豊も寺脇康文も嫌いじゃない。
今回は岸谷五朗の友情出演が上手かったな。モトカリヤユイカがずいぶん大人になったなあ。

しかし、今なぜこのストーリーかというのは少しひっかかった。
世間の移り気をわたしも時として他人ごとのように揶揄したくなるけど、
でもこれについては「今さら?」と思ったことは否めない。
脚本家は、ストーリー展開に(時期的にも)丁度いい素材だと思って単に利用したのか、
それともあの事件に特別の関心を持っている人か。
前者だとしたら、その姿勢はちょっと……と思う。
後者なら、風化している記憶を掘り起こし、考えさせることには成功しているよね。
でも後者だとしたら、最後Sファイルなんて存在を設定して安易に着地させるのは頂けないけどなあ。
うーん。

もっと基本的なことで言うなら、マラソンをからめるのはちょっと無理があったのではないか。
もう少し地味な仕掛けの方が、あの作りもの感アリアリの暗号勝負に合っていたような気がするし。

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欲を言えば、このドラマ、雰囲気がもうちょこっと癖物ならば、多分好きだと思うんだ。
水谷豊的奇妙さをもう少し濃くして、寺脇康文的明朗さをもっと薄くする。
タイトルももっと癖物っぽく。「杉下右京氏の優雅な捜査生活」……これではタイトルにはならんが、
「相棒」ってタイトルではどうも食指が動かない。
食指が動かないと言えば、映画のサブタイトルをこれでもかと長くするのは品がないので
止めた方がいいと思う。あおればいいってもんじゃないからね。

面白かったのに、良い事が言えないなー。
ただ、テレビ放映でも十分、という面白さではあった。

さて、次は。
ザ・マジックアワーだ!……番宣見まくりで作品を見る前にそろそろ飽きてしまいそうだ。
三谷幸喜のことだから、今回もどうせ舞台なんだろうな、と思いつつ、ごっつい期待もしている。
……例によって一抹の不安はあるけれども。

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