こんな本を読んだ。眺めた、と言った方が適当かもしれない。
この本は写真がお手柄。
トリノ・サンロレンツォ聖堂のドーム写真を見て、「まるで万華鏡だ!」と思った。
幾何学的な分割も、描かれたフレスコ画(?)も控えめな色使いながら、やっぱり万華鏡的。
写真だと特に遠近感がなくなるから、建築というよりデザインとしての捉え方が強くなる。
美しいですよ。おそらく、実際に見たのとはまた違った美しさ。
空撮写真もよかった。町全体をフレームに収める空撮写真は時々みるけど、
この本に載せられているのは、もっと狭い範囲の写真。かなり低空から撮っているので、
個々の建物の個性が出ている。そこに住んでいる人の暮らしが想像出来る感じ。
なかなか見られないスケール。
他にも、最初の見開きの、サンティニャーツィオ広場の写真は、また面白い構図で撮っている。
これはそそるよ。現地に行って、実際自分も真ん中に立って、真上を見上げてみたくなる。
この弧がいかにもイタリア・バロック。……とか言うと、まるで詳しい人のようだが、
逆に、この弧でしかバロックを識別出来ないというのが本当のところだ。
イタリア・バロックはワルツのような曲線。フランス・バロックにはこの曲線がないから、
バロックなのかどうなのか、実はよくわからない。フランス・バロックは端正というか、
調和的ですよね。ドイツは、多分かなり装飾的でごてごて。
いや、やっぱりバロックはイタリアでしょう。(根拠はないが)
この本を見て、トリノも行きたくなったなあ。
サン・ロレンツォ聖堂ももちろんだし、サンタ・クリスティーナ&サン・カルロの双子聖堂も
その軽やかさがとても魅力的。空撮写真でみると、妙に画一的な、窓が沢山ある建物の街だが、
それも気になったりして。サンタ・シンドーネ礼拝堂ドームも実に個性的な造型だ。
昨シーズンのオリンピックは別としても、工業都市のイメージしかなくて、
全く眼中になかった。古代の香りはないだろうが、行ってみればなかなか面白いところなのかもしれない。
そして、おそらくバロックといえばレッチェなんだろうな。良く知らないけど。
この辺になると、もうごてごてバロック。イタリアというよりむしろスペイン的ごてごてさを感じる。
面白そうだよなー、この辺りも。
あとはシチリア辺りも面白いだろう。きっと。
……結局、どこでも行ってみたいわけである。
コメント