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◆ せんだいメディアテークについての長い長い話。(その6)

7.と、まあ結局のところ。

せんだいメディアテークは気に入っているのだ。
あの場所にある建物に求められる役割を過不足なく果たしている、というような気がする。
存在がちゃんと活かされた建物。ニュートラルであることが(たとえイメージ上であっても)
付加価値を生み出している。

5階以上の階にはそれほど行かないが……でも、ちょっと興味を引かれたエキシビには足を伸ばす。
いいねえ、こういうスペースがこういう場所にあると。
最近でもないが、書道のエキシビなんて面白かった。こういう分野はわざわざ行ってみるほどの
熱意はないだけに、図書館のついでに「お」と思ったら寄れる、この距離感が便利。

ただ、非常に残念なのは、繰り返しになるが、回遊性が途切れていること。
これ、7階までエスカレーター、あるいは階段で動けるようにすれば、付加価値は8%くらい
上がったのになー。(数字に根拠はないが)
5階以上がエレベーターでしか行けないのは、やはりそれより下層階との断絶を感じる。
ここのエレベーターは少々移動が遅いとも感じるし、億劫さが出て来る。
これで回遊性があったら、ある意味テーマパークのようなエンタテイメント性さえ
加わったのではないかと思うにつけ、ああ、惜しい。……と思う。

あとは何があるかなあ。
ああ、そうだ。わたしには野望がある。
5階か6階にある椅子……これが、椅子というにはワケノワカラン、むしろオブジェともいうべき
うねうねとしたデザインなのだが。これに思うままに座ったり、寝転がったりしてみたいなあ。
このデザインは誰だっただろう?どこかで見た記憶があるのだけれども。
とまれ、せんだいメディアテークの見どころの一つは、各フロアの個性的な椅子のデザイン。
頭の中で、思い浮かべるだけでも面白い。

そう、しかし最後に苦情を。
実はこの建物は、ある人々にとっては危険な建物ですよ。
どういう人たちにとって危険かというと――ミニスカート人種。
何しろ、随所にスケルトン構造が使われているので、はっきり言って、見えます。
1階の北口から入ると、カフェを見下ろしながらスロープを下って行くことになるんだけれど、
ここを通りながらいつも「ミニスカートの人は、カフェにいる人から丸見えだなあ」と思う。
エレベーターでも。柱であるチューブのそばでも。
――まあ、わたしはミニスカートなんぞ履きませんし、個人的には実害はないからいいんですどね。

以上、長い長いせんだいメディアテークの話。

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