1991年公開。34年前。
……うっ。そんなに前ですか、これ。
タイトルが良かったので気になっていたんだけど、今回初見。
古めかしいですねえ。まあ34年前であれば、そりゃそうか。
榎木孝明かっこ良かった。
岸恵子は御年59歳でヒロイン役。きれいだった。
財前直見がすっごくかわいい!この人こんなに可愛かったんですか!顔変ったねえ。
大滝秀治は34年前でさえもすでに大滝秀治だった。
伊東四朗も若かった。
酒井俊也、斎藤洋介、若かったねえ。
だが実はわたしは浅見光彦シリーズ、あんまり好きじゃないのよね。まず原作が。
原作は2、3作読んで、話のあまりの薄さに辟易して。
ドラマも1、2作は見たけど、何しろ原作にそもそもそ感心してないんだから、
ドラマに感心するはずもなく。
でも「天河伝説」だけはプロモーションが良かったのよね。
中森明菜の主題歌も魅力的だったし。なので数十年経ってようやく見た。
ん-、まあね。面白くなかったとまではいわないね。だが積極的に面白かったかというと。
まあ普通。序盤の畳みかける事件の起こり方は期待感をあおったけど、
その後の話の展開は、まあいつものサスペンス……というような。
舞台だては良かったですよね。山深い天河神社。吉野のさらに奥ですから。
正直、こんなに奥でこんなに豪華な社殿なわけが……と思ったが、
検索した範囲でいうと、やっぱり立派な神社です。
実際の撮影はもう少し交通が便利な、滋賀県の神社で撮ったようだが。
でも奈良市から70キロそこそこだとすると、イメージよりは奥じゃないのね。
十津川村に準ずるような山深いところだと思ってた。
見てて完全に間違っていたのは、能の宗家の家が天河神社に近い場所だと思ってたこと。
吉野あたりにあるイメージだった。天河神社がもっと奥にあって、能の宗家はその手前だと。
あれは東京なんですね?たしかに吉野だとすると、能楽専業の人が多すぎるようだし、
舞の会の雰囲気とかは違うと思うが、なんか思い込んじゃったのよね。
そうすると、宗家の設えの趣が変わるなあ。豪華な障壁画も、重厚な和風の作りも、
旧家の邸宅だと思ってたからこそ趣深く感じたわけで、
単に(?)東京の宗家ってだけだと趣が減じる。
東京の宗家が天河神社とそんなに繋がりが深いというのも少々納得出来ないのよねー。
せめて京都辺りの設定なら何とか……。でもそうすると後継ぎの女の子が
東京をうろうろして伊東四朗の事務所に行ったりするのも整合性がとれないか。
岸恵子はきれいだったけど、そして実年齢にしては驚くほど若いけど、
浅見光彦が心惹かれるというのは無理がないか……。30歳くらい上ではないのか……。
まあ話の粗はいろいろ。
同時代で見ていたら全然感心しなかった可能性はあるが、制作から34年経って見てみると、
昔の雰囲気を楽しむという部分の面白みは増えるかも。
だが当然、その古めかしさがネックになる部分もあるので、
プラマイゼロくらいなのかな。
画は良かったですよね。かなり良かった。
だが、ここは暗くしなくてもいいだろう、というシーンが暗すぎたりしたのは
いまいちだった気がする。わたしは画面が暗いのは基本好きじゃないのでね。
宗家の内部が暗いのは納得出来るんだけど、その他の部分はもう少し明るめでいいと思った。
まあでもうっすらと気にかかっていた作品が見られたので良かった。
気にかかっていた最大の要因であるテーマ曲が聞けなかったのは肩透かしだったが。
それが聞けてればもっと満足度が高かっただろう。
実は本日、本ブログ開設7500日でした。
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