前半部すごく面白くて引き込まれたんだけどね?ぞくぞくしたんだけどね?
しかし風呂敷広げるだけ広げて、上手に畳めませんでしたね。
これはまさに「あなたの番です」と同じパターン。
最後に盛大に大コケするのも同じ。
いやいやいや。さすがに無理ですねー、話が。
なんかもう話を広げすぎて何がなんだかわからなくなっているが、
……って、ネタバレ今さらだよね?
とにかく西田尚美が意外な犯人!ってだけの結末だった。
しかもその意外さは、「まさかこの人が犯人なのは無理だろう」ってのを含んでの
意外さだから、決して誉め言葉じゃないですよ。
まあいろいろ無理。西田尚美が犯人なのは、なんというか、
物理的に不可能じゃないかもしれないが、サイコパスじゃない悪意の人じゃない立場での
犯行は絶対に無理で(だからって「あなたの番です」のサイコパス設定もヒドイが)。
まあ~~~いろいろいろいろ無理。
いちいち上げるのが面倒なほど「無理」だから部分への言及は省略するが、
(10個どころでは済まない気がする)
別方向からいうと、ああいう真相でお父さんが娘にああいう手紙は書かないよ。
そんな重荷は背負わせないよ。だいたいただの大学生じゃん。
警察官である自分が調べても難しいのに、捜査を娘に託すって……。
もっとはっきり書け!
心麦にあんな手紙を書くくらいなら、屋台のおじさんに捜査一課宛の手紙を
託すしかないでしょうよ。
あとね、あのお父さんの立場であの5人?6人?を「冤罪です」とは書かない。
「犯人ではない」と書く可能性はあり得るが、冤罪とは書かない。
意味は同じことになるが、書き手の立場ではそうは書かない。
あと、西田尚美が犯人でいいならば、別に廣島育美が犯人だってかまわないんだよね。
無理さ加減においては。廣島育美が8話?9話?でようやく出て来るのもヤレヤレだよ。
不要でしたよ。
刑事が担当事件の唯一の生き残りを養子にするっていうのも倫理的に見れば問題がある。
特に遺産付きの赤ちゃんの。法律で禁止されているかどうかは知らないが。
あのシンガポールにいるウタちゃんの伏線は回収されないままでしたね。
ってか、遺産はどうしたんだっけ?イトコが使い込んだとはされていたけど、
ウタが養子に行った時点で、そういうところはちゃんとするものでは?
父検事は、あの話の流れで登場したら、どうしたって黒幕なのよ~~~~~。
なんであのタイミングで出そうと思ったか。もう少し早くか、せめて遅く出しとけば
もう少しごまかせたかもしれないのに。
いろいろ周到な松風先生が、父検事だけは全然文句を言わず案件内容を共有しちゃうのって。
弁護士としても職業倫理的にどうかと。
悪事をやりなれている感ばりばりで、いうたらマフィア感しかないのに、
長い人生の大半を検事として生き、実は悪人ではないですよと言ったって無理。
なんで赤ん坊を赤沢夫妻が連れてくるかね。
普通は――というより、本人が施設なり児相なりと直接交渉しないと無理だよね?
書類のやりとりなんかもあるだろうし。
赤沢妻もなんで1億円の通帳を突然出すかね?完全にやぶへびですが。
あの段階で元産婦人科医を殺してなんかいいことあった?
その前に殺すならまだしも、心麦が接触したあとで。
ちなみに心麦と書いて「こむぎ」と読ませるのはDQNで嫌だ。
話がダメダメなのでとにかくドラマとしてダメダメ。
まあそれはそれとして、役者たちは達者な人たちでおおむね良かった。
広瀬すずは初。お姉さんの広瀬アリスはすごく好きなので、妹の方も見てみたいとは
思っていたが、今回見られて満足。きれいな子ですね。時々すごく北川景子に見えた。
役名に引きずられたのか、北川景子と門脇麦の中間に見えていた。
門脇麦がもう少し若かったらこの役ぴったりでしたね。
思ったよりも演技が上手いと思ったんだけど、とにかく「父」の発音が……。
たまーに(10回に1回くらい)ちゃんと言えてた時もあったから、
演出側が指摘しないとダメじゃんと思うんだが、なんで直さなかったんだろう。
あれで途端に入ってこなくなる。
ただ、このシリアスめなサスペンスにおいて、広瀬すずと松山ケンイチのかけあいは
ちょうどよくコミカルで良かった。この組み合わせは良かった。
松山ケンイチも初かもしれない。この人、わたしが見たいと思うドラマに出ないのよね。
このドラマでは好きな役だった。
藤本隆宏なる人。顔はちょくちょく見てたんだけど、名前は知らなかった。
今、こないだ(?)再放送した「坂の上の雲」をゆっくり見ていて(初見)、
ちょうど広瀬中佐が戦死した回を見た直後に本作を見始めたので、
ものすごいいい役から10分後に暴力刑事として見ることになった。
「わたしの涙を返せ」と苦笑いした。
あ、そうそう、今回の収穫は瀧内公美。字面では見たことあるけど、顔は認識してない
女優さんだった。今回のドラマでは良かったですねえ。いい「悪~い」感じ。
今後も見たいものです。
最近やたらとあちこちに出ていると思う磯村勇斗。
まさにこういう曲者役で伸びると思ってたのだが、意外に爽やかな、真面目な系統で
見ることが多く、こういう普通の方向かあ……と釈然としてなかった。
今回の役のようなのがまさに、という気がする。
でも、成田凌と役柄逆の方がいいのでは?とは最後まで思っていた。互換可能。
成田凌が記者の方がわずかにハマり率が高かったように思う。
でも息子感は磯村勇斗は若干薄いか。
まあ現行でも悪かったわけではないが。
森崎ウィンの役柄がもう少し本筋に関わって来ると、よりコミカルで好きだったかもな。
松風先生のお父さんの話はがっつり削っても良かったんじゃないかなー。
ここらへんは風呂敷を広げすぎたと感じた。サスペンスでミスリードは必要だが、
やりすぎると回収できない、しても無理くりになっちゃいますよね。
まあ、そうですねえ、たとえ前半がものすごく面白くても、上手く収束出来ないと、
とにかく最後は不満ですからねえ。
原作をちょっと刈り込んでもドラマはドラマでサイズに合わせるべきだったと。
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