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◇ タニス・リー「冬物語」

ファンタジーは総論的には一応好きなつもりなんだけど、
各論的には面白くないものが多い……
と思っている。

そのなかでこれはまあまあでしたかね。中編だったのも良かったんだろうな。
文庫本1冊のなかに中編2つ。それでも内容が少し薄かった気もするが、
このボリュームで書いてくれると飽きる前に終わる。

ファンタジーは世界観を書き込むのにいそしんでいるので、それで退屈ということはあるのか。
昨今のアニメなんてみんなそうでしょう。
ナンシー・スプリンガーは1冊目は面白かったんだけど、だんだん飽きてしまった。
でも4、5冊読んだんだけど。
タニス・リーも1冊目としてはなかなか好感触。これが長編になった時どう感じるのかだな。

「冬物語」はタイトルがいいですよね。
「春物語」「夏物語」「秋物語」――他がタイトルにならん、というわけではないけど、
「冬物語」がダントツで物語性を感じるのはなんでだろう。単に嗜好の問題だろうか。

「葬送のフリーレン」のフリーレンのイメージで読んでいた、主人公を。
全体的な要素はとてもありがちなんだけど、最後は多少とも目新しく読んだ。
まあそこまで斬新なストーリーではないが。最後にタイムリープを持ってきて、
2巡ほどしてあっさりハッピーエンドでまとめるのはすっきりしていて読後感が良かった。

「アヴィリスの杯」の方は、ハッピーエンドになるわけがない話運びで、
最後にあっさりとハッピーエンドなのが若干違和感があった。
まあ後味が良くて良かったけれども。

「闇公子」シリーズが代表作かな?そのうち読む。

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