2.地震対策
世界に冠たる(?)地震国日本、やはり地震への対応は非常に大事なところでしょう。
が、こういう状態。
まあ地震というのは相手(地球)があるもので、どんな大きな地震にも大丈夫!ということは
ありえないが、それでも「ええ?」と思った経験が2度ほどあるんですよね。
その1:
上記のニュースの地震の時だったかは覚えていない。とにかく地震があった時。
新聞に地震後の宮城県図書館の惨状が掲載された。本棚から本が沢山落ちて、
棚と棚の間が本の山になっている状態の。
はっきり言って「なんで?」でした。だってそれほどひどい地震だとは感じなかったんだもの。
「なんであれくらいの地震でこんなことになっちゃってるわけ?」が正直なところ。
たしかに自分の居住地と宮城県図書館は、直線距離で15キロ前後は離れていて、
震度に差があっても仕方がないかとは思うが……
でもあの時、他の施設でそう被害が出たとは聞かなかったような気がするんだよなー。
なんで宮城県図書館だけ……(だけ、というのは恣意的な発言だが……)
まあこの時は多少あやふやな記憶ではある。ソースもないしね。
その2:
これは確実な実体験。去年の夏のことですねえ。
プールの天井板が落ちたという衝撃的なニュースになった地震の時。
この地震の時、わたしはたまたま仙台市図書館にいたんですよ。
まあそれなりに震度も大きかったようで、そりゃあ怖かった。
(しかし震度6弱といわれるほどは感じなかった。)
特に仙台市図書館は、相当な部分にガラスを使っていますから、これが割れたらエライことだ。
ハラハラドキドキ。でも多少安心している部分もありました。ずっと前に、仙台市図書館の
耐震構造を見た記憶があって、”五重塔構造”で作ってあるのを知っていましたから。
五重塔構造という言葉はないと思うんだけど、言いたいことは、
「意図的に構造に余裕を取り込むことで、衝撃を吸収する」作り。
建物の根っこ部分をあえて頑丈に固定することなく、ゆらゆら揺れるように作っている。
そのせいで、比較的長い時間揺れるが、揺れのスパンが緩やかになり、被害も少なくて済む。
現に、その時の仙台市図書館では大した被害はなかったのだ。
もちろん全く本が無事だったわけではないけど、被害といえば、落ちた本がいくらか――
スタッフの人と、気がついた一般利用者数十人(感覚的には30人くらいかな)が
数冊ずつ拾って棚に戻せばOK、程度のもの。
まあ、見えない部分(閉架書庫なんか)は多分もっとひどかったでしょうが、
少なくとも目に見える部分は、日常に復するまで10分程度しかかからなかったのです。
だがしかし。
わたしはたまたまその日、その足で県立図書館にも行った。ハシゴですね。
車で駐車場に入ろうとすると、スタッフの人が思い切り手を振る。
何事だろうと窓を開けると、……「地震のため、本日利用中止になりました」
「は?」
嘘だろー。さっき仙台市図書館に行って来たけど、何の混乱もなかったぞー。
ここでごねても仕方ないから帰ってくるしかなかったけど、
仙台市図書館とのあまりの違いを考えると、腹が立ってしょうがない。
私事で恐縮だが、わたしは宮城県図書館まで、車で片道40分かかるんだぞ。
だから宮城県図書館は欠陥建築だというのだ!
建っている土地の頑丈さとかももちろん違うだろうけど、
しかし地盤が弱いから、被害が大きくなっても仕方ないというわけではないでしょう?
地盤が弱いことが事前にわかっているのなら、
その辺の対策にはもっともっと気合を入れなければならないし、
地盤が特に弱いというわけでないなら、あの脆弱性は一体なぜだ、ということになるわけです。
ほんと不思議だ。なぜこんなに弱い?
たとえ建物自体が持ちこたえても、本なんて重いものですからね。
以前新聞に載った写真のような状態になったら、
落ちてきた本にぶつかって痛い思いをした人は、きっと大勢いたでしょう。
図書館に行くのは大人だけではない。子供が、頭上からふりそそぐ本の下敷きになったらと思うと、
……すごく不安だなあ。
そういうことを考えると、設計者自身は不安になりませんかね?
彼の他の建物にしたって、地震に対する強度は大丈夫なんだろうか。
訊いてみたい今日この頃。
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