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< 下剋上球児 >

結局、最後まで見たことは見た。

けど、話がさあ。
思わず舌打ちをしたくなるほどアホみたいな話で、一体脚本家は何をやってるんだ、と思った。
責められるべきは脚本家ですか?プロデューサーですか?
この脚本家は「おおかみこどもの雨と雪」らしいのよね。あれも常識的に無理がある話だった。
だが大泉洋の「グッドバイ」は面白かった。今回のこれで、1勝2敗ですか。

そもそも一話目から少しかったるかったのよね。
鈴木亮平は好きだし、他の役者も良さそうだったけど、話が地味かなと思って。
停止ボタンを押す直前でそれを救ったのが小日向さん。
あれこれの映画・ドラマで死ぬほど見た小日向さんだけど、
あのお祖父さんの造型はちょっと面白くて、それがために見続けたといっても過言ではない。

とはいえ、南雲先生の秘密がばれたのは2話目ラストでしたか?3話目でしたか?
何しろアホくさかったですね。わりとシリアスな告白っぽかったから、
犯罪系だとは思ったけど、「いい先生」というアイデンティティを根底から覆す設定。
一体何を考えてこんなシナリオにしたのかと……

まだ過失により結果的に人を死なせてしまったとか、うっかりして火事になったとか、
そういうベタな設定の方がなんぼか良かった。そうすれば許すか許さないかは心情的に
話が作れるじゃない?

でも先生になるために文書偽造とかはさあ……。しかも情状酌量の余地がない、
履修科目の取り忘れなんて!もう「いい先生」の根本が崩れるわけじゃないですか。
何を言っても白々しいよね。
で、その人が、ばれた後に同じ高校の野球部の指導者に……。それは無理すぎる。

ずーっとそこが頭から離れず、ドラマ自体の面白さはそれで70%減。
「あり得ない」と思いながら見るのが苦痛だった。

その後にもう一つ呆れた流れがあって、山積先生が試合当日に倒れるところ。
いや、その前に病院行けよ!と。
大人として一体どうなの、その判断力は!?
せめて前日遅くまでやった練習の最終盤にボールが当たって、でも夜なべして
お守りを作ってあげたいから無理をした、の流れならぎりぎり……まあそれでもダメだけど、
ぎりぎりおかしくはなかったと思うのよ。

そういう時系列じゃないもんね。
倒れるくらいの痛みなら、もっと態度に出ているはずだしね。
そして病院行った後も、走るわ拍手をするわ、大声を出すわ……
ヒビ入ってるんですよね?その行動無理ですよね?
これもしかして、急遽押し込まれたシーン?

役者たちが良かっただけに、話のめちゃくちゃさが大変惜しまれる。
もっと普通の話で、球児たちを丁寧に描いてくれれば良かったのに。

小日向さんは言わずもがな、黒木華も名前の読み方と顔のタイプは微妙だが演技はいいし、
井川遥もハマっていたし、球児たちも良かったよ。チャラくなくて。
ちゃんと演技をしようとしていた子たちだった。
青空くんも上手かったじゃないですか。この子は今後見ていきたいなあ。

そういう役者を揃えて、もったいなかったですねえ、この話は。
元夫も何かもっと決定的なことが起こるんじゃないかと思わせといて不発。
山積先生と過去の生徒とも、絶対何かが起こらなければならない撮り方をしておいて不発。
まさかこの流れで監督復帰できないですよね?という状況でしれっと復帰。

ふざけるな!といいたい。何か適当な事件を起こせばいいってもんじゃないんだ!
ちゃんと話を!深める!面白い!話を!

……話につっこもうと思えば永遠に終わりません。
よくあることだけど、なんでわざわざこうした?と不思議であり腹立たしい。
もっとまともな話にするのは簡単だったんじゃないかと思うのだが。

話は変わって、わたしは鈴木亮平がずいぶん前から贔屓だけれども、
ここへ来て、ちょっと周囲からの扱われ方が鼻についちゃうんですよねー。
本人の責ではないけれども。

多分実際にも南雲先生のような人なんだと思うよ。
誠実で努力家で。でもみんなが口をそろえてそれをほめそやすのを聞き飽きてしまった。
まあこれはファン側のわがままですが。

鈴木亮平は実はあんまり面白いドラマに出ていない。
見返して、10作くらい見ているはずだが手放しで評価出来る作品は――
正直にいうと、ない。
脇役でお得な役はチラホラあったが、主役もかなりやっているはずなのに
わたしが見ているものが軒並みハズレなのは、もしかして作品選びが下手?

というよりも選んでいないんだろうな。来た作品全部受けてるんだろうな。
でもいい作品に出るのはいい役者になるのには必須だから、ここまで来たんだから
作品は選んだ方がいい。

……実は面白いドラマに出ていないのは、単にわたしが(見る)ドラマ選びが下手だという
だけかもしれないのだが、そこらへんは追求しないことにする。

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